乳糖 (ラクトース)
乳糖 (ラクトース)【概要】
- 乳糖 (ラクトース)は母乳、牛乳等に含まれる糖類。
- 乳糖 (ラクトース)はラクターゼ不足により下痢などの要因になる。
- 乳糖 (ラクトース)は便秘解消の効果が期待されている。
乳糖 (ラクトース) はグルコースとガラクトースが結合した二糖類です。乳糖 (ラクトース) は乳汁にしかなく、母乳、牛乳等に含まれています。
牛乳を飲むとおなかがゴロゴロしたり、ときには下痢したりする人が多くいますが、このような症状を「乳糖不耐症」とか「乳糖分解不全性一過性下痢」といいます。
乳糖は、小腸粘膜上皮細胞表面にある微絨毛膜上で、ラクターゼという消化酵素によって単糖に分解されてから、吸収されます。母乳や牛乳をたくさん飲んでいた乳幼児の頃には、このラクターゼ活性が高いために、乳糖は容易に消化吸収されます。
しかし、ラクターゼ活性は成長とともに低下するので、成人になると乳糖を消化しにくくなります。その結果、未消化の乳糖が大腸に運ばれて腸内細菌によって発酵され、その発酵産物が下痢を誘発したり、腹部の膨満や腹痛をおこしたりします。
全世界の成人の約90%がラクターゼ欠損であるといわれていますが、その程度には個人差があります。また、古来から動物の乳を常食としていたアフリカや北欧の人々は、成人になってもラクターゼの活性が低下しません。
乳糖 (ラクトース)の効果・効能
乳糖 (ラクトース) の主な効果・効能は他の糖類と同様、エネルギー源となることです。特に乳糖 (ラクトース) はデンプンを消化できない赤ちゃんにとって非常に重要なエネルギー源になります。
また乳糖 (ラクトース) には肝臓の働きに重要なグリコーゲンの生成やカルシウム、マグネシウムの吸収の促進、さらにはアミノ酸、糖タンパク質、糖脂質、核酸成分など体の構成成分として作用する等の効果・効能が期待されています。
その他、乳糖 (ラクトース)が注目されている効果・効能に便秘の解消・改善効果があります。乳糖 (ラクトース)は腸内の善玉菌である乳酸菌を増やす効果があるとされ、便秘解消に繋がるというわけです。
乳糖 (ラクトース)の副作用・注意点
乳糖 (ラクトース)は適切な経口摂取であれば特に心配ないと思われます。
牛乳を飲んでお腹の調子が悪くなるようであれば、乳糖の一部が乳酸菌によって分解されているヨーグルトやチーズを試してみるとよいかと思います。乳糖の一部をあらかじめ分解した「乳糖分解牛乳(雪印乳業、商品名アカディ)」もありますので、そちらを試しても良いかもしれません。
乳糖 (ラクトース)の効果があると思われるもの
乳糖 (ラクトース)には以下のような効果・効能が期待できます。
■乳糖 (ラクトース)が含まれる食品例
乳糖 (ラクトース)が含まれる食品には以下のようなものがあります。