はちみつ（蜂蜜）

はちみつ（蜂蜜）【概要】

はちみつ（蜂蜜）の採取は先史時代にはすでに行われ、5000年ほど前の古代エジプトでは養蜂も始まっていたようです。日本では平安初期の『本草和名（ほんそうわみょう）』にはちみつ（蜂蜜）についての記述がみられ、薬として扱われています。

ミツバチは、花から採取した蜜を体内にある酵素によって果糖とブドウ糖に変え、羽ばたきによって水分を蒸発させ約10分の1に濃縮します。これがはちみつ（蜂蜜）となります。

はちみつ（蜂蜜）に含まれる果糖やブドウ糖は消化吸収されやすく、即効性のエネルギーとなるため、疲労回復には高い効果があります。はちみつ（蜂蜜）の酵素によって生成されるグルコン酸は、大腸に直接届いてビフィズス菌を増やし、便秘や下痢の改善に有効に働きます。

はちみつ（蜂蜜）によって含有量は異なりますがビタミンCやビタミンB群、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄などを含み、心身のバランスを整えるとともに、美容効果も期待できます。

ただしはちみつ（蜂蜜）にはボツリヌス菌の芽胞が入っていることがあるので、1歳未満の乳児には与えてはいけません。

[はちみつ（蜂蜜）の選び方のポイント]
さまざまな花から収集したはちみつ（蜂蜜）が市販されているので、味や香りを確かめ、好みのものを選ぶと良いです。

[はちみつ（蜂蜜）の保存方法]
はちみつ（蜂蜜）の入った容器のふたをきちんと閉め、直射日光を避けて常温で保存します。はちみつ（蜂蜜）が白く結晶化したら50～60度で湯煎し、溶け出したらかきまぜると、キレイな液体状に戻ります。

[はちみつ（蜂蜜）の種類と仲間]
●レンゲ蜜
レンゲの花から摂れる日本の代表的なはちみつ（蜂蜜）です。クセが少なく、料理や飲みもの全般に合わせやすいはちみつ（蜂蜜）です。やさしい香りで上品なコクがあります。
●アカシア蜜
日本の代表的なはちみつ（蜂蜜）の1つです。アカシア蜜はブドウ糖よりも果糖が多いので結晶化しにくい性質をもつます。レンゲに似た上品な味です。
●ミカン蜜
ミカンの花から採れるはちみつ（蜂蜜）です。柑橘系のさわやかな香りで甘酸っぱい風味が特徴のはちみつ（蜂蜜）です。
●クローバー蜜
香りがよくさわやかな甘味があるはちみつ（蜂蜜）です。世界中で最も生産量が多いはちみつ（蜂蜜）です。クセが少なく料理に使いやすい。
●ソバ蜜
ソバの花から採れるはちみつ（蜂蜜）です。色や香りが強くクセがあり、黒砂糖に似た独特の味が特徴のはちみつ（蜂蜜）です。通常のはちみつ（蜂蜜）よりも鉄分などのミネラルやルチンが豊富です。
●百花蜜（ひゃっかみつ）
さまざまな花の蜜をブレンドしたはちみつ（蜂蜜）です。採取した場所や時期によって味や色が異なります。
●トチ蜜
トチの花から採れるはちみつ（蜂蜜）です。香りが高く淡白な味わいです。採取量が限られており、貴重なはちみつ（蜂蜜）です。
●クリ蜜
色が濃く、焼きグリのような香ばしい風味が特徴のはちみつ（蜂蜜）です。ややクセがあります。
●甘露蜜
松の樹液を集めたはちみつ（蜂蜜）です。さわやかな香りで、まったりとしたコクとほどよい酸味があります。

[はちみつ（蜂蜜）の主な生理機能成分（推定機能）]
●グルコン酸（整腸、ビフィズス菌増殖）
グルコン酸はブドウ糖が酸化することによってできる糖酸の一種です。グルコン酸は有機酸のなかで唯一、大腸に到達し、大腸で善玉菌のビフィズス菌を増やし、腸内環境を整えます。グルコン酸には悪玉菌を抑制する作用もある。
●プロテアーゼ（消化促進）
プロテアーゼは消化酵素の1つです。プロテアーゼはたんぱく質を分解し、消化を促進し胃腸の負担を軽減させます。またプロテアーゼは腸内の老廃物を分解し、腸内環境を整える働きもあります。

[はちみつ（蜂蜜）の主な栄養素（可食部100g当たり]
・炭水化物･･･79.7g
・鉄･･･0.8mg
・亜鉛･･･0.3mg
・銅･･･0.04mg
・ビタミンC･･･3mg

　エネルギー：294kcal（100g当たり）

[はちみつ（蜂蜜）の期待される効果・効能]
疲労回復　便秘改善　消化促進　味覚機能維持改善　貧血改善　美肌効果