チェストツリー
チェストツリー【概要】
- チェストツリーは紀元前400年ごろから薬用として利用されているハーブの一種
- チェストツリーはイソフラボンでは改善しないホルモンバランスを整える作用がある
- チェストツリーは生理・月経を正常化する作用がある
チェストツリー(Chaste tree)はヨーロッパでは紀元前400年ごろから薬用として利用され、古くから女性生殖器系疾患の治療に伝統的に用いられてきたハーブの一種です。
現在、チェストツリーはドイツでは医薬品として、生理不順、乳房痛をはじめとする月経前症候群(PMS)に用いられています。
チェストツリーはクマツヅラ科ハマゴウ属の植物で原産地は地中海沿岸地方です。チェストツリーはバイテックス、チェストベリー、イタリアニンジンボクなどの別名もあります。
チェストツリーの有効成分
チェストツリーの有効成分と考えられているのはチェストツリーの葉や果実に含まれるジテルペン類、フラボノイド類、イリドイド配合体などです。
●ジテルペン類
ラブダン系
クレロダン系
●フラボノイド類
アビゲニン
カスチシン
ソビキテン
オリエンチン
●イリドイド配合体
アウクビン
アグノサイド
チェストツリーに期待される効能・効果
チェストツリーの効能・効果に対するメカニズムはまだ未解明な部分も多くありますが、期待される効能・効果には次のようなものがあります。
●月経前症候群(PMS)の改善
●月経前不快気分障害(PMDD)の改善
●月経周期の乱れの改善
●更年期障害の改善
●痘痕(にきび)の改善
●不妊症の改善
チェストツリーの効能・効果としては主に生理・月経を正常化させる働きと生理・月経に伴う不快な症状を軽減させることがよく知られています。
女性の生理・月経に伴うトラブルは主にエストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)という2つのホルモンバランスが崩れることが大きな要因と考えられています。
女性の生理・月経に伴うトラブルに効果的な成分として代表的なものに大豆などに含まれるイソフラボンがあります。このイソフラボンは主にエストロゲン(卵胞ホルモン)の不足を補うことで症状を緩和させると考えられています。
一方、チェストツリーは研究の結果からプロゲステロン(黄体ホルモン)の不足による症状を緩和する効果があることがわかってきています。
つまりチェストツリーにはイソフラボンでは改善できない月経前症候群(PMS)や月経前不快気分障害(PMDD)、月経異常などの症状を緩和する働きが期待できるということです。
ただし、チェストツリーには即効的な効果は期待できず最低2ヶ月以上の使用が必要とのことです。
チェストツリーの副作用・安全性
チェストツリーは一般的に安全なハーブとされており、3ヶ月から1.5年間の継続的な経口摂取は安全であることが確認されています。
ただし、場合によってにきびや胃腸障害、頭痛、不正出血が起こることがあったり、月経日が早まる場合があるようです。このような場合にはチェストツリーの使用を止めて医師に相談するなど様子をみましょう。
またチェストツリーには子宮を刺激したり、プロラクチン分泌を阻害する性質や、ドーパミン作動薬としての性質を有する可能性があるため、妊娠中・授乳中の使用は控えましょう。
チェストツリーに含まれる健康成分
チェストツリーに含まれる健康成分には以下のようなものがあります。