緑茶(お茶)
緑茶(お茶)【概要】
緑茶(お茶)とは茶葉を蒸して水分を蒸発させ、もんで乾燥させて作る不発酵茶のことを言います。
緑茶は奈良時代末期から平安初期に唐から僧侶が持ち帰ったのが始まりです。緑茶は室町以降、茶具は華やかさを増しました。緑茶は安土桃山文化が花開くなか、堺の豪商・千利休によって茶道が確立されました。江戸時代に煎茶製法が発達したことにより、緑茶は庶民にも広まりました。
緑茶は発酵によってカテキンが失われることがないため、紅茶や烏龍茶よりも最近の繁殖やウィルスの活動を抑える作用が強くあります。カテキンは日光を浴びて育った葉に多く含まれるため、緑茶のなかでも玉露や茎の多い番茶よりも煎茶に多い。
緑茶にはβ-カロテンやビタミンCが豊富に含まれています。緑茶はそれらの抗酸化作用によってガン予防や免疫力強化に有効と言われます。また緑茶にはミネラルや食物繊維も多く、便とともに老廃物を排出するので美容にも効果があるとされます。さらに緑茶の香りにはリラックス効果も期待できます。
緑茶は成分のすべてが湯に溶け出すわけではないので、茶葉そのものや茶殻を利用した料理や菓子に使い、丸ごと摂取することも可能です。
緑茶(お茶)の選び方のポイント
緑茶は、香りがよく色鮮やかでよく乾燥しているものを選びましょう。緑茶の高級茶は茶葉がそろっていて、見た目のきれいなものほど良質とされます。
緑茶(お茶)の保存方法
緑茶は湿気を含むと変質しやすくなるのでなるべく空気をぬいて密封する必要があります。また熱や光も変質の原因となり緑茶の味が落ちるので、直射日光を避け涼しい場所で保存しましょう。
緑茶(お茶)の主な栄養素(100g当たり)
・カリウム・・・27mg
・カルシウム・・・3mg
・マグネシウム・・・2mg
・マンガン・・・0.31mg
・ビタミンC・・・6mg
エネルギー:2kcal(100g当たり)
緑茶(お茶)の主な生理機能成分(推定機能)
●カテキン(抗酸化、血圧上昇抑制、血糖値上昇抑制)
カテキンは緑茶に含まれる渋味成分です。カテキンはフラボノイド系ポリフェノールの一種で抗酸化作用があり、免疫力を強化し、発ガンを抑制する働きがあります。さらにカテキンには高血圧、動脈硬化を予防、脂肪、糖分の吸収を抑制、細菌の繁殖を抑制する働きもあります。
●テアニン(脳内神経機能調節、リラックス効果)
テアニンは緑茶に含まれる成分です。テアニンはアミノ酸の一種で血圧をコントロールし、ストレスを緩和する働きがあります。またテアニンには自律神経のバランスを調整する効果も期待できます。
●タンニン(抗酸化、抗ガン)
タンニンはポリフェノールの一種です。タンニンには抗酸化作用があり、癌を予防、殺菌作用等が期待できます。
緑茶(お茶)の期待される効果・効能
動脈硬化予防
ガン抑制
覚醒作用
抗菌・殺菌作用
免疫力強化
高血圧予防
疲労回復
リラックス効果
緑茶(お茶)の種類と仲間
●煎茶
煎茶は一般的によく飲まれる茶です。煎茶とは露地栽培した茶葉を蒸した釜で煎ったりして加熱した後、乾燥させたものです。煎茶の産地としては静岡県や埼玉県狭山市が有名です。
●番茶
番茶の製法は煎茶と同じです。番茶は6月中旬頃に摘む大きめの葉を用いることが多いです。
●ほうじ茶
ほうじ茶は番茶や煎茶を強火で煎ることで香ばしさを出したものです。抽出したほうじ茶の色は褐色になります。
●玄米茶
玄米茶は番茶や煎茶に煎った玄米を加えたものです。玄米茶は香ばしい味が特徴です。
●玉露・かぶせ茶
玉露・かぶせ茶は木をよしずなどで覆い、直射日光を避けて栽培されます。玉露・かぶせ茶は煎茶よりも苦味が少なく、アミノ酸が多いのが特徴です。
●抹茶
抹茶は蒸して乾燥させ、葉脈をとり除いて石臼でひいて粉状にしたものです。抹茶は玉露同様、日光を避けて育てた葉を使うのが特徴です。抹茶にはビタミンEが豊富です。抹茶は茶葉そのものを飲むため、栄養成分を無駄なく摂取できます。石臼でひく前の状態のものをてん茶といいます。
●茎茶
茎茶は煎茶や玉露などの茶葉を選別しているときにでてくる茎の部分を集めたものです。
●芽茶
芽茶製造工程のなかで出る、最も美味しいといわれるいちばん若くやわらかい芽を集めたものです。
●粉茶
粉茶はお茶の加工中に擦れたり砕けたりして出てきた粉状の茶葉を集めたものです。寿司店などでよく使われるのはこの粉茶です。
緑茶(お茶)に含まれる健康成分
緑茶(お茶)に含まれる健康成分には以下のようなものがあります。
