ドライアイ
ドライアイ【概要】
- ドライアイは涙の分泌量が低下し、目の不快感を生じさせる目の疾患
- ドライアイは失明などの重篤な結果をもたらすことは稀
- ドライアイによって目の表面に傷がつき、別の眼の病気に発展することがある
ドライアイとは、涙の分泌量が低下したために、眼球の表面が乾燥し疲れ目や目の不快感、目の充血といった症状を引き起こす眼の疾患です。
ドライアイの症状
以下の内、五つ以上の症状が長く続くようなら、ドライアイの可能性があります。
□ 目が疲れやすい
□ 目やにが出る
□ 目がごろごろする
□ 目が乾き重い感じがする
□ なんとなく目に不快感がある
□ 目が痛い
□ 涙が出る
□ ものがかすんで見える
□ 目がかゆい
□ 光を見るとまぶしい
□ 日が赤い
さらに「十秒以上目を開けていられない」「まばたきの回数が一分間に四十回以上」なら可能性はさらに高くなります。目の疲れを訴える人の六割がドライアイにかかっているとされています。
涙(涙液)は上まぶたにある涙腺から分泌され、涙点という小さな穴から鼻腔へと流れていて、まばたきにより常に目の表面を潤しています。
涙液は三層からなりへ一番外側には、まぶたにあるマイボーム腺から供給される油の層があり、涙液の蒸発を抑えて、涙液層を安定化させる働きをしています。
涙液は、日の乾燥を防ぐ、細菌やウイルスを殺す殺菌作用、ごみなどを洗い流す洗浄作用、栄養などを補給して角膜や結膜を正常に保つなどの役割をしています。
ドライアイになるとこの涙液の機能がうまく働かなくなり様々な症状を引き起こしますが、ドライアイが失明などの重篤な結果をもたらすことは稀です。
ただし、ドライアイが長期化することで、眼の表面が傷つきやすくなり、その傷から細菌が入り込んで眼全体が感染したり、傷が深くなって視力が低下することもあります。
ドライアイが長引く場合は眼科を受診するようにしましょう。
ドライアイの原因
ドライアイの原因は二つに分類されます。
一つは涙液の分泌量が減少することで、涙液層がはがれ、角膜や結膜が露出し障害されるもので、老化や免疫の異常によるシェーグレン症候群、薬の副作用によるスティーブンス・ジョンソン症候群、ストレスなどによるものがあります。
二つ目は涙液の過剰な蒸発により、目が乾燥し、涙液層が破壊されることにより発生するもので、ドライアイの多くがこれによるものです。
目が乾燥する原因として、第一にパソコン、テレビゲーム、携帯電話などのディスプレー画面を長く見ることがあげられます。
ディスプレーを見ているときには、まばたきの回数が激減するため、目が乾燥しやすくなります。
パソコンなどを使う仕事では、定期的に休憩を入れる、まばたきをする、画面を目より下に置くなどに注意する必要があります。
エアコンによる部屋の乾燥、乾燥する冬の季節、睡眠不足、たばこの煙なども乾燥の原因になります。
ドライアイの対策
ドライアイの対策としては、目を十分休ませ、意識的に瞬きの回数を多くすることが効果的です。
ドライアイに効果的な成分としてDHA(ドコサヘキサエン酸)があります。視力の改善に効果を発揮するDHAのですが、最近ではドライアイのリスクが低下することもわかっています。DHAを多く含むマグロを週5日以上摂取している女性は、週1回摂取している女性に比べ、ドライアイのリスクが68%低いという報告もあるほどです。
その他にもβ-カロチンやビタミンA、アントシアニンなどもドライアイのリスクを軽減させると考えられています。
またドライアイを対策、改善するアイテムとしては目薬が基本ですが、その他にも涙液の蒸発を防ぐ「保護眼鏡」やマイボーム腺の働きをよくする「アイマスク」、近赤外線温熱治療器の使用も予防に効果的です。
防腐剤を含む目薬の使用は症状を悪化させる危険性があるので避けてください。
ドライアイの治療
ドライアイになってしまった場合は以下のような治療方法があります。
●点眼薬(目薬)
ドライアイの治療における基本です。涙に近い成分(ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)で防腐剤の入っていない目薬が良いとされます。またヒアルロン酸が主成分の目薬も効果的なようです。
点眼薬(目薬)は防腐剤の入っているものや、体質や症状にあっていないものを使用すると逆効果で症状が悪化することがあります。少しでもおかしいと思ったら、すぐ眼科を受診して正しい点眼薬を処方してもらいましょう。
●涙点プラグ
涙の出口である涙点に栓(涙点プラグ)をして、涙の生理的な排出を人為的に遮断するような治療方法です。
比較的安価な上、施術にも痛みがなくドライアイに効果的な治療法となっていますが、涙があふれたり、肉芽反応がおこなるなど多少の副作用がでる場合もあるそうです。
ドライアイに効果があると思われる食品成分
ドライアイに効果があると思われる健康成分には以下のようなものがあります。