くじら(鯨)
くじら(鯨)【概要】
くじら(鯨)は海に棲む哺乳類で、ヒゲクジラ類とハクジラ類の2種類に分けられます。くじら(鯨)の肉質はヒゲクジラのほうがクセがなく味がよいです。くじら(鯨)の肉は全体的に赤身が多く、たんぱく質と鉄が豊富で脂肪が非常に少ないです。
くじら(鯨)は日本では古くからの食肉で、縄文時代の遺跡からくじら(鯨)の骨が出土している。特に戦後は学校給食などでくじら(鯨)の肉が利用された。現在ではIWC(国際捕鯨委員会)の決定によりミンククジラ、セミクジラなど13種の商業捕鯨が禁止されています。
くじら(鯨)の肉は水溶性ビタミンのナイアシンが多いのも特徴で、糖質や脂質のエネルギー代謝を活発にするほか、頭痛やめまい予防にも有効です。またくじら(鯨)の肉には同じ水溶性ビタミンであるビタミンB6が含まれています。ビタミンB6は皮膚炎予防の効果が期待できます。
くじら(鯨)で最も美味とされるのは、赤身と脂が霜降りになった尾のつけ根の肉で、刺身やステーキなどにされます。中でもくじら(鯨)の腹側の肉はウネと呼ばれ高脂肪だが、陸上動物にはほとんど含まれないIPA、DHAが豊富で、血栓防止やコレステロールを減らす作用があるため、生活習慣病予防にも有効とされています。
[くじら(鯨)の肉の選び方のポイント]
肉のきめが細かく、鮮やかな赤色のくじら(鯨)の肉が良質。解凍品のくじら(鯨)の肉を購入するときは、ドリップ(肉からしみ出す液)の少ないものを選びましょう。
[くじら(鯨)の肉の保存方法]
くじら(鯨)の肉を冷凍庫に保存する場合は、キッチンペーパーなどで包んだあと、ラップにしっかり包んで冷凍しましょう。
[くじら(鯨)の種類と仲間]
●ミンククジラ
ミンククジラはヒゲクジラの仲間です。両半球の極海から熱帯海域まで広く分布しています。全長約8m。国際捕鯨委員会の管理対象となっており、商業捕鯨が禁止されているので、捕獲調査で得られたものだけが食用にされています。
●ツチクジラ
ツチクジラはハクジラの仲間です。日本近海からカリフォルニア沿岸にかけて分布しています。ツチクジラは全長約12mぐらいのくじら(鯨)で、捕鯨規制の対象外で食用になります。
●コビレゴンドウ
コビレゴンドウはハクジラの仲間で太平洋、大西洋、インド洋に生息しています。コビレゴンドウは全長約6mぐらいのくじら(鯨)で、沖縄では「ヒート」と呼びます。コビレゴンドウも食用になります。
[くじら(鯨)の肉の主な栄養素/可食部100g当たり・生]
・たんぱく質・・・24.1g(アミノ酸スコア100)
・脂質・・・0.4g
・鉄・・・2.5mg
・ビタミンB2・・・0.23mg
・ビタミンB6・・・0.46mg
エネルギー:106kcal(100g当たり)
[くじら(鯨)の肉の主な生理機能成分(推定機能)]
●ヘム鉄(貧血予防)
ヘム鉄は赤身の肉や魚介類に含まれる鉄です。野菜や穀類に含まれる非ヘム鉄に比べて吸収率が3~5倍高いとされます。ヘム鉄は造血を促進し貧血を予防する働きがあります。
●IPA(EPA)(血栓防止)
IPA(EPA)は不飽和脂肪酸で血栓の形成を抑え、血液の流動性を高め、動脈硬化、高血圧を予防する働きがあります。その他、IPA(EPA)はアレルギー症状の緩和・改善やガンの予防が期待できます。
●DHA(脳神経細胞機能の維持)
DHAは不飽和脂肪酸で脳細胞を発達・活性化し、記憶力、学習能力を向上させる働きがあります。その他、DHAはコレステロール値低下、アレルギー症状の緩和・改善やガンの予防が期待できます。
[くじら(鯨)の肉の期待される効果・効能]
貧血改善 血栓防止 脳機能維持改善 アレルギー抑制 動脈硬化予防 高血圧予防 ガン抑制
くじら(鯨)に含まれる健康成分
くじら(鯨)に含まれる健康成分には以下のようなものがあります。