鹿肉(シカ肉)
鹿肉(シカ肉)【概要】
鹿肉(シカ肉)は隠語として別名、紅葉(もみじ)とも言われる肉です。鹿肉を紅葉(もみじ)と言う由来は諸説あるようで、「花札で紅葉(もみじ)の背景が鹿であること」「百人一首の猿丸太夫の歌によるもの」「鹿猟が紅葉(もみじ)の時期にあること」などがあります。隠語としては主に肉食を禁止されていた僧侶が使っていたようです。
鹿に関しては旧石器時代の遺跡から鹿の骨が発掘されており、鹿猟の歴史は非常に古くからあります。鹿肉(シカ肉)はもちろん、皮や角なども利用されてきました。特に若い鹿の袋角は、中国では鹿茸(ろくじょう)と呼ばれ、高価な漢方薬として取引されてます。
鹿肉(シカ肉)は他の食肉に比べ低脂質、低エネルギーでありながら必須アミノ酸、ビタミン類、ミネラル分が豊富に含まれています。鹿肉(シカ肉)の他、皮や骨も生活用品としてさまざまに利用されます。鹿肉(シカ肉)の赤身肉はビタミンB群を多く含むので、新陳代謝を活発にして疲労回復を促進するほか、肌や粘膜の健康維持にも役立ちます。また鹿肉(シカ肉)には貧血や冷え性を予防する鉄や細胞の健康を保ち味覚を鋭敏にする亜鉛も多く含んでいます。
鹿肉(シカ肉)の調理法としてはもみじ鍋が有名です。西洋では鹿肉(シカ肉)をロースト、香味焼き、煮込み料理などに使います。特にフランスでは、鹿肉(シカ肉)がジビエ(野生鳥獣)料理の高級食材とされています。
[鹿肉(シカ肉)の選び方のポイント]
鹿肉(シカ肉)は脂身が少なく、色のよいやわらかい若い鹿肉(シカ肉)が良質と言われます。表面の黒ずみや筋のすくない鹿肉(シカ肉)を選ぶと良いです。
[鹿肉(シカ肉)の保存方法]
鹿肉(シカ肉)は牛や豚と同様に扱えばよいが、冷凍するときはキッチンペーパーで包んだ後ラップで包んで乾燥を防ぎましょう。冷凍で1ヶ月は美味しく食べられます。
[鹿肉(シカ肉)の種類と仲間]
●アカシカ(赤鹿)
アカシカ(赤鹿)はニュージーランドからの輸入品が多く、ほぼ通年食べることができます。
●ヘラジカ
ヘラジカは北米および北欧に分布している鹿です。体が大きく、クセがなく低脂質で、美味な狩猟肉として人気が高いです。
●キョン
キョンは東アジアに分布する小型の種です。中国で食用にされる。
●トナカイ
トナカイは古くから北極圏の重要な家畜とされています。肉だけでなく内臓も食べられています。
[鹿肉(シカ肉)の主な栄養素(可食部100g当たり)]
・たんぱく質・・・22.3g
・脂質・・・1.5g
・鉄・・・3.1mg
・亜鉛・・・3.1mg
・ビタミンB2・・・0.35mg
エネルギー:110kcal(100g当たり)
[鹿肉(シカ肉)の主な生理機能成分(推定機能)]
●ヘム鉄(貧血予防)
ヘム鉄は赤身の肉や魚介類に多く含まれる鉄です。野菜や穀類などの植物性食品に含まれる非ヘム鉄に比べて、吸収率が3~5倍高く造血を促進し貧血を予防します。
●ペプチド(血圧低下作用)
ペプチドは血圧を上げるホルモンの生成を阻害し、血圧を下げる働きがあります。
●カルノシン(抗酸化)
カルノシンは活性酸素を消去し、細胞を酸化損傷から保護し、動脈硬化、糖尿病の予防が期待できます。
[鹿肉(シカ肉)の期待される効果・効能]
貧血改善 高血圧予防 味覚機能維持改善 糖尿病予防
鹿肉(シカ肉)に含まれる健康成分
鹿肉(シカ肉)に含まれる健康成分には以下のようなものがあります。