塩辛
塩辛【概要】
塩辛はイカ、カツオ、アユなど魚介類の肉や内臓に塩を加え、熟成させたものです。微生物による発酵で旨味が増すだけでなく、原料に含まれる酵素がたんぱく質をアミノ酸に分解するため、生とは違った豊かな旨味をもつようになります。
塩辛は内臓を多く使うため栄養価が高く、ビタミンAや亜鉛、鉄などを含んでいます。塩辛はご飯のおかずや日本酒のつまみによく合う珍味として好まれてきました。平安時代の書物には、魚以外にも獣肉を用いた塩辛があったという記述が残されています。しかし、江戸時代になると獣肉ものは消え、現在のような魚介ものが主流の塩辛になっていきました。幕末には塩辛を売り歩く商人もいたといいます。
塩辛はイカの塩辛が最も一般的で、白作り、赤作り、黒作りのほか麹を加えたものもあり、バリエーション豊か。塩分が多いので食べ過ぎに注意ください。
選び方のポイント
塩辛には原料によっていろいろな種類がありますが、発酵による旨味ではなく、甘味料で甘味をつけたものもあるので、原材料欄を確かめましょう。
保存方法
最近の塩辛は健康志向で減塩のものが多くなっているため、未開封のものでも冷蔵庫で保存します。また、開封した塩辛は早めに食べきるようにしましょう。
主な栄養素(可食部100g当たり)
・たんぱく質・・・15.2g
・脂質・・・3.4g
・ナトリウム・・・2700mg
・鉄・・・1.1mg
・亜鉛・・・1.7mg
エネルギー:117kcal(100g当たり)
期待される働き
味覚機能維持改善
塩辛の種類と仲間
●コノワタ
ナマコの腸が原料。日本三大珍味の1つ。
●ウルカ
アユの内臓が原料。さまざまな種類がる。
●メフン
サケの腎臓が原料。魚の内臓を表すアイヌ語が語源。
●酒盗(しゅとう)
土佐藩12代藩主の山内豊資(やまうちとよすけ)による命名。カツオの内臓を原料にした高知県の名産品。
●トシロ
アワビの内臓を塩漬け、熟成させたもの。
塩辛に含まれる健康成分
塩辛に含まれる健康成分には以下のようなものがあります。