コウジ酸
コウジ酸【概要】
- コウジ酸は麹から発見された美白成分。
- コウジ酸はチロシナーゼの働きを抑制するタイプの美白成分。
- コウジ酸は一時発がん性の疑いから使用が中止されたが、現在は安全性が確認されている。
コウジ酸(Kojic acid)とは味噌や醤油、酒に含まれる麹から見つけ出された美白成分です。「一般的な職人さん達の手はガサガサしているのに酒や味噌をつくる職人の手は白くツヤツヤしている」ことが噂となり研究された成分です。コウジ酸は厚生労働省から美白有効成分として医薬部外品の認可を受けています。
コウジ酸の歴史は古く様々な化粧品に配合されているだけでなく、皮膚科でも利用されている美白成分です。
尚、味噌や醤油にはコウジ酸が含まれていますが、微量な上、胃腸にて分解されてしまうためこれらを食べることで美白効果を期待するのは無理と思われます。
コウジ酸の美白効果と仕組み
コウジ酸はシミ・くすみ・そばかすの元である酵素・チロシナーゼの働きを抑制し、メラニンの生成を抑制し、美白効果を発揮します。
日焼けやシミ・くすみ・そばかすは次のプロセス経ておこる症状です。
【1.】肌に紫外線やホルモンなどの刺激物質が作用する
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【2.】様々な情報伝達物質がメラノサイトを活性化させる
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【3.】メラノサイトの活性化によりチロシナーゼが活性化する
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【4.】チロシナーゼとチロシンが結合する
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【5.】メラニンが生成・放出される
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【6.】過度のメラニン生成による色素沈着(←日焼け)
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【7.】ターンオーバーの乱れによりメラニンが排出されない
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【8.】シミ・くすみ・そばかすができる
コウジ酸は【3.】の段階でチロシナーゼの活性化を抑制します。チロシナーゼの働きには銅イオンが必要ですが、コウジ酸はチロシナーゼからこの銅イオンを奪う性質(キレート作用)があります。チロシナーゼは銅イオンを奪われることによって働きが弱くなり、メラニン生成が抑制されます。これがコウジ酸による美白効果の仕組みです。
またコウジ酸にはシミなど沈着しているメラニンを還元する作用もあるようで、皮膚科などでも利用されているようです。ただし、市販されている化粧品の場合は濃度が低いためシミなどの還元作用は期待できないとのことです。
コウジ酸の副作用・注意点
コウジ酸の副作用は特に報告されておらず、安全な美白成分と言えます。
過去にコウジ酸の動物実験で肝癌を引き起こす可能性があるとの報告から一旦医薬部外品への使用が中止された経緯があります。しかし、動物実験の場合は極めて高濃度だったこと、さらに既に使用されているコウジ酸の副作用が見られていなかったことから、追加試験の上、再度医薬部外品への使用が再開されました。
このようにコウジ酸は疑惑の中での追加試験でも問題がない安全な成分ということが証明されていると思います。
しかしながら、体質の問題もありますので肌に異常がでた場合は迷わず皮膚科などに相談しましょう。
コウジ酸の効果があると思われるもの
コウジ酸には以下のような効果・効能が期待できます。
■コウジ酸が含まれる食品例
コウジ酸が含まれる食品には以下のようなものがあります。