多汗症
多汗症【概要】
- 多汗症とは全身、手や足、脇下などに汗が大量にでる症状のこと。
- 多汗症は交感神経が緊張している場合に発症しやすい。
- 多汗症の治療は薬でも効果が高いので手術は極力さけるべき。
多汗症とは全身もしくは手や足、脇下などの局所に汗が大量にでる症状のことです。本来、汗の量やかき方は個人差があり、汗をかくこと自体は体の正常な機能と言えます。
しかし、大量の汗をかくことは社会生活に支障をきたすこともあり、現在では保険適用されるなど事実上は病気といった認識もされています。
多汗症の症状
汗をかく原因は主に「気温の上昇や運動したときに発汗する温熱性発汗」「神経質な人や緊張した時に発汗する精神性発汗」「辛いものなど刺激の強いものを食べたときに発汗する味覚性発汗」の3つです。
多汗症の場合は、これらの場合に過度に汗がでる、もしくはこれら以外の時にも汗がでるといった症状があります。多汗症には全身から汗がでる全身性多汗症と手や足、脇下など部分的な局所性多汗症があります。また多汗症のニ次的な症状としてわきががあります。
多汗症の原因
多汗症の原因は明確になっていませんが、主に次のようなものがあります。
生活習慣によるもの
多汗症は生活習慣によって引き起こされている場合があります。まずは水分の摂り過ぎです。水分は体にとって必要なものですが、必要以上に摂取すると汗も多くなります。
次に運動不足。そして不規則な生活です。これらは多汗症の要因とも言われる自律神経の乱れを引き起こします。また肥満にもなりやすいため多汗症を促進することにもなります。
精神的なもの
人は緊張すると交感神経が働き発汗する作用があります。過度に神経質であったり、ストレスが溜まっていると交感神経が敏感になり多汗症になりやすくなります。
精神的な多汗症は手のひら、背中などの局所性多汗症のケースが多く、人目につきやすいため、それを気にして更に発汗が強まるという悪循環を起こす傾向があります。
病気によるもの
急に多汗症になったという場合は病気の疑いがあります。多汗症を伴う病気はいくつかあります。
動悸や頭痛を伴う場合は自律神経失調症の疑いがあります。食事をきちんと食べているのに体重が減っているような場合は甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の疑いがあります。その他、糖尿病やアルコール依存症などでも多汗症を伴うことがあります。
多汗症の対策
多汗症の人は自律神経が乱れている可能性があるので、自律神経を整えることが最優先です。特に交感神経を抑制し、副交感神経を刺激することが重要と思われます。
まずは生活習慣を見直してみることから始めるとよいと思います。規則正しい生活と適度な運動、そして少し水分を控えてみてください。肥満ぎみの人は体重を落とすことも心がけてください。
また、精神的な緊張を取り除くために自分なりのストレス解消法やリラックス方法を探してみましょう。
既述した規則正しい生活と適度な運動をするだけでもかなり効果的ですが、それ以外にも自分の趣味を見つけたり、ゆっくりお風呂に入るなど工夫をしてみましょう。ラベンダーやローズ、ジャスミンなど副交感神経を刺激するハーブやアロマも効果的です。
それでも多汗症が全く改善されないようであれば、病気の可能性もありますので医師に相談してみましょう。
多汗症に効果的な食品・栄養成分
多汗症に効果的な食べ物や栄養成分はやはり自律神経を整えるといったものが中心となります。
交感神経を抑制する働きがあるのは、カルシウムとマグネシウムです。さらに交感神経を抑制し、副交感神経を刺激する栄養成分はイソフラボンです。イソフラボンは納豆や豆腐など大豆製品に含まれています。
多汗症の治療・手術
多汗症の治療は外用薬、内服薬、手術、精神療法などがあります。主な治療法・手術は次の通りです。
●塩化アルミニウム溶液療法
もっともポピュラーな多汗症治療。汗の出口を塞ぐ治療です。寝る前に外用薬である塩化アルミニウム溶液を塗って、朝洗い流します。
●水道水イオントフォレーシス療法
手のひらや足の裏の多汗症に用いられる療法。手足に電気を通すことで汗腺の機能を一時的に抑制します。
●ボトックス療法
通常脇の下の多汗症に用いられます。脇の下にボトックス(ボツリヌス菌の毒素)を注射して発汗を促す神経信号を抑えます。
●交感神経遮断手術
手のひらや足の裏(場合によっては脇の下)の多汗症に用いられる手術。発汗を促す神経を切除するという手術です。副作用として他の部分の汗が増える「代償性発汗」という生じる場合が多くあります。
多汗症の手術は「効果が高いものの体へのダメージが大きい。薬でもかなりの効果が見込めるので、極力避けた方が良い」というのが多くの医師の意見のようです。
多汗症に効果があると思われる食品成分
多汗症に効果があると思われる健康成分には以下のようなものがあります。