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保湿に関する説明

保湿

保湿【概要】

保湿とは肌の潤いを保つことですが、厳密に言うと肌の角質層内の水分割合を20~30%以上に保つことです。

角質層内の水分が30%以下になると乾燥肌の傾向がでてきます。15%以下になると肌がつっぱります。

保湿のまとめ

保湿のポイントをまとめると次のことが言えます。

保湿は美肌の重要な要素です。

保湿は肌に潤いを与えることでみずみずしい肌になるだけでなく、角質細胞が綺麗に整えられることからきめ細かい肌を作る効果もあります。

保湿の本来の役割は肌のバリア機能です。

美容面で大きな要素となる保湿ですが、実際は外部からの細菌や有害物質の侵入、刺激などから肌を守るバリア機能が本来の役割です。

その為、保湿が損なわれると乾燥肌になるだけでなく、肌のバリア機能が低下し、かゆみや炎症、吹き出物といった肌荒れが生じやすくなります。当然、美容にもマイナスになります。

保湿の仕組みは角質層内にある「保湿の三因子」にあります。

私達の肌は大きく「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層からなり、さらに表皮は更に「角質層」「頼粒層」「有腺細胞層」「基底細胞層」の四層に分かれます。

肌(皮膚)の仕組み


この内、保湿に関係するのは表皮にある「角質層」です。

角質層は角質細胞で成り立っていますが、角質細胞はケラチンという硬いたんぱく質でできています。本来硬いはずの肌が柔らかいのは角質層に水分が含まれているからです。

角質層内には「保湿の三因子」と言われる「NFM(天然保湿因子)」「角質細胞間脂質」「皮脂膜」があり、これらの働きで肌の潤いが保たれています。

保湿に最も重要なのは「角質細胞間脂質」です。

保湿とは保湿の三因子が次の働きを行うことにより成立します。

  • NMFが水分を保つことで角質細胞に潤いを与え、細胞の形を整える。
  • 角質細胞間脂質が角質細胞と角質細胞の間に水分を保持する。
  • 皮脂膜が水分の蒸発を抑える。

簡単に言うと、NMFと角質細胞間脂質が水分を蓄え、皮脂膜がそれをパックすることで保湿が保たれるという仕組みです。

保湿の三因子はそれぞれの役割が合わさり保湿を行いますが、保湿のメインは角質細胞間脂質です。角質層内における水分の80%はこの角質細胞間脂質で保持されています。

角質細胞間脂質の主成分はセラミドですが、このセラミドが角質細胞の間でラメラ構造という何層にも水分をサンドイッチする構造で水分を保持しています。

以前は保湿のメインは皮脂と考えられていましたが、バターに脂を塗っても湿らないことからも分かるように、皮脂自体には殆ど保湿作用はありません。皮脂はあくまで保湿の補助するものです。

保湿の主役成分はセラミドとアミノ酸です。

保湿に効果的な成分とは、保湿の三因子を形成する成分とそれを補助する成分ということになります。

保湿の三因子で何よりも大事なのは角質細胞間脂質ですので、保湿に最も重要な成分とは角質細胞間脂質の主成分である「セラミド」です。事実、多くの保湿化粧品にこのセラミドが配合されています。

また、保湿の三因子の一つであるNMF(天然保湿因子)の主成分であるアミノ酸も保湿に重要な成分です。アミノ酸も多くの保湿化粧品に配合されています。アミノ酸の中でもプロリンとセリンが保湿力の高いアミノ酸とされています。

しかし、アミノ酸は個々にとっても不足しているアミノ酸があるとうまく機能しませんので、不足しやすい必須アミノ酸を中心に摂ることをおすすめします。また、アミノ酸の生成を補助するビタミン類も重要です。アミノ酸をサポートするビタミンにはビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンEなどがあります。

保湿のポイントはまずは肌の正常なターンオーバーです。

保湿で最も重要なことは健康な保湿因子を体内で作ることです。それには肌のターンオーバーが正常であることが一番です。

肌のターンオーバーに必要な要素は「栄養素」「血行」「代謝機能」です。

「栄養素」とは基本的にはたんぱく質(アミノ酸)です。その他にも前述したセラミドやビタミンなども重要です。「血行」はその栄養素を角質層の元となる基底細胞に供給するのに必要です。血行が悪いと折角の栄養も肌には届きません。「代謝機能」とは、まさにターンオーバーを促す要素です。代謝機能は自律神経やホルモンなどによって作用されますが、不規則な生活などで代謝機能が狂うことがあるので注意が必要です。

保湿スキンケアは水分補充ではなく、保湿成分を補充することが重要。

保湿のためのスキンケアを行う場合は、水分を補給するのではなく保湿成分を補給することが重要です。

お風呂に入って肌がふやけるぐらい水分を吸収しても、すぐに肌が乾燥してしまうことから分かるように水分をいくら補給しても保湿成分がないとすぐに水分が流れでてしまいます。

保湿成分としてはセラミドが一番効果があると言われています。その代用になるものとして、ヒアルロン酸やコラーゲンなどがあります。

保湿化粧品などで保湿成分を補給した後に、保湿クリームや乳液など油分を塗ることで保湿成分や水分を逃さないようにすることは効果があります。

"洗いすぎ"や間違ったスキンケアは保湿を損ないます。

保湿のスキンケアで注意しなければいけないのは、NMFや角質細胞間脂質を失うケースがあることです。それは次のようなことです。

  • 洗いすぎる
    必要以上にこすったり、洗浄力の強い石鹸などで洗いすぎるとNMFや角質細胞間脂質が流出してしまいますので注意が必要です。
  • 熱いお湯で洗う
    角質細胞間脂質は熱いお湯と混ざると溶けて流れ出てしまう性質があるので、水かぬるま湯を使うようにしましょう。
  • 保湿パックを長時間使う
    シートマスクなど保湿パックをあまり長時間使っていると、保湿パックの乾燥とともに逆にNMFがパックに吸い取られてしまいます。保湿パックを使う時は決められた時間を守りましょう。

不規則な生活、ストレス、偏食は保湿の大敵です。

不規則な生活や睡眠不足、ストレスや偏食は肌のターンオーバーを狂わせる原因です。肌のターンオーバーが狂うと、NMFや角質細胞間脂質が減少し、皮脂量にも異常がでて保湿力が低下します。

保湿の基本は健全なターンオーバーからですので、スキンケアの前に生活習慣を見直すことから始めましょう。

保湿に効果があると思われる食品成分

保湿に効果があると思われる健康成分には以下のようなものがあります。

□保湿に効果があると思われるアミノ酸を含む食品
りんご酢 / プラセンタ / 冬虫夏草 / 玄米酢 / ・・・もっと見る
□保湿に効果があると思われるコラーゲンを含む食品
マロー / 舌平目(シタビラメ) / マトン / 豚肉 / 軟骨 / 豚足 / 鶏肉 / ・・・もっと見る
□保湿に効果があると思われるセラミドを含む食品
こんにゃく(蒟蒻) / 小麦 / 大豆 / キビ / ほうれん草(ほうれんそう) / 米 / ヨーグルト / ・・・もっと見る
□保湿に効果があると思われるセリンを含む食品
チーズ / マグロ(鮪) / 大豆 / 小麦 / かつお(鰹) / 高野豆腐(凍り豆腐) / ・・・もっと見る
□保湿に効果があると思われるヒアルロン酸を含む食品
プラセンタ / にわとりのとさか / 豚足 / 鶏手羽先 / ・・・もっと見る
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