煮干し
煮干し【概要】
煮干し(にぼし)とは主に小魚を煮て干した食物のことを言います。煮干しを別名で炒り子、ゆで干しとも言います。煮干しの発祥地は黒潮に沿った九州・四国の沿岸地方といわれます。江戸中期以降、カツオ節が役立つものとして出汁に興味が集まり始めると、当時は高級品であったカツオ節やコンブに代わるものとして煮干しは注目され広く普及していきました。
煮干しに用いるイワシ類は、脂質が多く酸化しやすい。そこで、ゆでることで余分な脂を抜き、油焼けを起こりにくくしたのが煮干しです。煮干しに加工すると核酸成分がイノシン酸に変化して旨味が増し、カルシウムもグンとアップします。煮干しは骨の強化や骨粗しょう症の予防に役立ちます。煮干しにはIPAも豊富で、血栓溶解および血管拡張作用があり、脳卒中や心筋梗塞、高血圧、動脈硬化などの予防に有効とされています。その他煮干しには記憶力の向上や認知症の予防、発ガン抑制などに効果が期待されるDHAも含み、生活習慣病予防にぜひとり入れたい食材と言えます。
[煮干しの選び方のポイント]
大きさが3~4cmで十分に乾燥し、腹部が内側に「く」の字に曲がっている煮干しが良いとされます。背が反っている煮干しは原料の鮮度が悪い傾向があります。背の黒色が鮮明で、青みがかった光沢のある煮干しが良く、黄褐色の煮干しは油焼けしています。
[煮干しの保存方法]
新鮮なうちに煮干しを冷凍すれば、カビや虫、油焼けの心配がありません。
[煮干しの期待される効果]
血栓防止 動脈硬化予防 脳機能維持改善 骨の強化 貧血改善
高血圧予防
[煮干しの主な栄養素(可食部100g当たり/カタクチイワシ)]
・カルシウム・・・2200mg
・マグネシウム・・・230mg
・鉄・・・18mg
・亜鉛・・・7.2mg
・ナイアシン・・・16.5mg
エネルギー:332kcal(100g当たり)
[煮干しの主な生理機能成分(推定)]
・イノシン酸(代謝機能促進)
動物性食品に含まれる核酸系旨味成分。細胞生成、新陳代謝に不可欠の物質。
・IPA(EPA) (血栓予防)
不飽和脂肪酸。血栓抑制。血液流動性を高め、動脈硬化、高血圧を予防。
・DHA(脳神経細胞機能の維持)
不飽和脂肪酸。脳細胞を活性化し、記憶力を向上。コレステロール値を低下。アトピー性皮膚炎なんどのアレルギー症状を緩和・改善。ガン予防。
[煮干しの種類と仲間]
○煮干しイワシ:
タカクチイワシ、マイワシ。ウルメイワシなどで体長5cm以内の小ぶりのものを塩水で煮て天日干しにしたもの。主にだし用です。
○しらす干し、ちりめんじゃこ:
カタクチイワシ、マイワシなどの稚魚を塩水で煮て乾燥させたもの。そのまま食べられるので、カルシウムを摂りたいときに。
○煮干しサクラエビ:
サクラエビを塩水で煮て乾燥させたもの。静岡県の駿河湾産が有名。
○干しナマコ:
ナマコの内臓を取り除き、塩水で煮て乾燥させる。主に中国料理の高級食材。スープなどに使う。
煮干しに含まれる健康成分
煮干しに含まれる健康成分には以下のようなものがあります。