洋梨(西洋梨:セイヨウナシ)
洋梨(西洋梨:セイヨウナシ)【概要】
洋梨は正式には西洋梨(せいようなし)と言います。またやわらかな舌ざわりとねっとりとした濃厚な味わいから、洋梨のことをバターペアーとかバターフルーツと呼ばれることがあります。
洋梨はヨーロッパ中部から東南部、西アジアに分布していたものが原種です。ヨーロッパでは紀元前から洋梨が栽培されていましたが日本へは江戸時代に渡来しました。明治時代に入ってから、多くの洋梨の品種が導入されています。日本での洋梨の主産地は山形県、青森県、長野県、岩手県などです。洋梨の旬は夏から秋にかけてです。
洋梨の果肉は多汁で甘く、華やかな香りがあります。洋梨は炭水化物(糖質)が多く水分が少なく、日本の梨に比べるとエネルギーはやや高めです。洋梨の栄養価は高く、骨を丈夫にするカルシウムや鉄の働きを助けて貧血予防に役立つ銅、便通をよくする食物繊維などは日本梨の約2倍と豊富です。
洋梨はアンモニアを体外に排出するアスパラギン酸を含み、疲労回復やスタミナ増強の効果もあります。また洋梨にはカリウムも豊富に含み過剰なナトリウム(塩分)を排出して血圧を安定させ、高血圧の予防に役立ちます。洋梨の独特の食感や芳香を生かして、シロップ煮やジャム、タルトなどの洋菓子に使われることが多くあります。
[洋梨の選び方のポイント]
洋梨は皮の色が緑から茶色に変わる頃が食べ頃なので果皮に青みが残っているものを選び、追熟させるとよいです。はりがあり、重量感のある洋梨がよいとされます。
[洋梨の保存方法]
洋梨は数日間常温で置いておき、皮が黄色くなり始めたら冷蔵庫へ入れます。洋梨の表面が黄緑になり、そっと実を押してやわらかければ食べごろです。洋梨は早めに食べきるのがよいです。
[洋梨の品種と仲間]
●バートレット
バートレットはイギリス原産で、別名ウィリアムズと言います。バートレットの果実は黄緑色で瓶形。バートレットは生食のほか、缶詰めやジャムなど加工品として使われることも多いです。バートレットの日本の主な産地は山形県です。
●ラフランス
ラフランスはフランス原産の洋梨です。ラフランスは高貴な香りととろけるような舌ざわりで人気です。日本では新潟県、長野県で多くラフランスの洋梨が栽培されています。
[洋梨の主な栄養素(可食部100g当たり/生)]
・カリウム・・・140mg
・カルシウム・・・5mg
・銅・・・0.12mg
・ビタミンE・・・0.3mg
・ビタミンC・・・3mg
エネルギー:54kcal(100g当たり)
[洋梨の主な生理機能成分(推定機能)]
●クエン酸(疲労回復)
クエン酸は有機酸の一種です。クエン酸は疲労物質である乳酸を代謝分解し、筋肉への蓄積を防止し疲労回復を促進。食欲増進効果があると言われます。
●食物繊維(整腸、抗ガン、循環器疾患抑制)
食物繊維は消化酵素によって分解されない成分で、腸内の善玉菌の繁殖を活性化することで便の量を増やし、腸内環境を整えます。食物繊維はコレステロールや老廃物を排出し、動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病、ガンを予防する効果が期待できます。
[洋梨の期待される効果・効能]
疲労回復 ガン抑制 動脈硬化予防 高血圧予防 糖尿病予防 骨の強化 貧血改善 便秘改善
洋梨(西洋梨:セイヨウナシ)に含まれる健康成分
洋梨(西洋梨:セイヨウナシ)に含まれる健康成分には以下のようなものがあります。