烏骨鶏(うこっけい)
烏骨鶏(うこっけい)【概要】
- 烏骨鶏(うこっけい)は栄養豊富な薬用鶏。
- 特に疲労回復に効果的。
- 妊婦や生理不順の改善にも効果があるとされる。
烏骨鶏(うこっけい)はキジ科のニワトリの一種です。鶏冠は紫色ですが、皮膚、脚、くちばし、肉や骨まで黒いのが特徴です。全身が柔かい糸状の絹糸羽に覆われていて、一般の鶏よりは小型で性格は温順です。
烏骨鶏の原産地は中国江西省泰和県で、明代に飼育改良された唯一の薬用鶏とされています。現在では世界各地で飼育されており、日本には江戸時代に渡来、関東地方ではウコッケイ、関西地方ではウケコと呼ばれ、天然記念物に指定されています。
中国の「本草綱目(ほんぞうこうもく)」にも「烏骨鶏は毛が白くて骨が黒いものと、毛が斑で骨が黒いものとがある。また、骨、肉ともに黒いものと、肉が白くて骨が黒いものとがあるが、舌の黒いものは肉、骨ともに黒く薬にしてさらに良好である」と記載されています。
ウコッケイの主な栄養成分
一般的な栄養成分は烏骨鶏も通常の鶏卵のそれ程違いはありません。若干脂質が高い傾向があります。
ただ、全般的に栄養価が高いとは言えます。鶏卵とくらべて多いのは次の栄養成分です。
- カリウム
- リン
- 鉄
- 亜鉛
- レチノール
- βカロテン
- ビタミンB1
- ビタミンB6
- ビタミンB12
- パントテン酸
- リノール酸
- アラキドン酸
- DHA(ドコサヘキサエン酸)
注目されているのはホスファチジルコリン(レシチン)の含有量です。ホスファチジルコリン(レシチン)はリン脂質の一種で、神経伝達物質であるアセチルコリンの前駆体でもあります。
その為、ホスファチジルコリン(レシチン)はアルツハイマー型の痴呆症患者や認知症に効果的と言われている成分です。また、最近の研究では悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を減らす働きがあることが確認されています。
烏骨鶏と通常の鶏卵を比べるとリン脂質自体はそれ程違いはないものの、ホスファチジルコリン(レシチン)の含有割合が高く豊富に含まれていることが分かっています。
逆に鶏卵と比べて低い栄養成分は次のものです。
- ビタミンK
- ビタミンB12
- 葉酸
- αリノレン酸
うこっけいの主な効能や効果
烏骨鶏は次のような症状に効果的と言われています。
- 疲労回復
- 虚弱体質
- 慢性胃炎
- 帯下などの婦人病
- 妊婦の健康維持
虚弱体質、結核などの慢性病による体力の低下、慢性胃炎には、肉や骨を煮て食べると効果があります。しかし烏骨鶏は皮がかたいので、火を通す時間を長くして充分に煮込みます。
また、烏骨鶏の肉や卵は内臓の諸器官を暖め、疲労回復に効果があるとされています。
さらに女性の健康維持にも効果的で、婦人の帯下や妊婦の胎動にもよいといわれています。女性特有の生理不順をととのえる作用もあるとされます。
烏骨鶏の調理ポイント
烏骨鶏を調理する場合は次の点に留意してください。
- 烏骨鶏は鶏肉に比べて皮がかたいので、火を通す時間を長くする。
- 薬膳料理として用いられ、腹の中に種々の生薬を入れて煮込む料理が一般的です。
烏骨鶏(うこっけい)に含まれる健康成分
烏骨鶏(うこっけい)に含まれる健康成分には以下のようなものがあります。