大豆レシチン
大豆レシチン【概要】
神経伝達物質の原料として不可欠なレシチンは、脳内のスムーズな情報伝達に不可欠です。また水と脂両方になじむ乳化作用により、コレステロールの血管壁沈着を防ぎ、コレステロールを肝臓へ運び排出させます。
大豆レシチンの概要
大豆レシチンは生体膜や脳、神経組織を構成するリン脂質のひとつです。レシチンは、数種のリン脂質の総称で、PS(ホスフアチジルコリン)を含んでいます。人の体内のリン脂質としては最も多く存在し、細胞膜などの生体膜や脳、神経組織の構成成分として重要な役割を担っています。食品では、大豆、卵黄、酵母、ゴマ油、ピーナッツなどに多く含まれています。
大豆レシチンの効果・効能
大豆レシチンの主な効果・効能として記憶力や集中力を高めるなどの神経伝達に関わる働きと、血中コレステロール値を調整する働きがあります。
大豆レシチンと神経伝達物質
考える、動く、見る、聞く、感じるなど私たちの思考や行動は、すべて脳からの指令で行われています。大脳皮質は、その中心として働く脳の部位です。
大脳皮質には、〝ニューロン〟と呼ばれる小さな神経細胞があり、その数は約140億にも上ります。ニューロンは、神経伝達物質を分泌し、それをとなりのニューロンが受け取ることで、情報を脳全体に伝達したり、記憶としてとどめたり、とどめたものを引き出しています。
大豆レシチンは、神経伝達物質のひとつである〝アセチルコリン″の原料です。アセチルコリンは、脳の機能を活発にするため、レシチンをしっかり補うことは、記憶力や集中力を高め、認知症予防に役立つといわれています。
大豆レシチンとコレステロール
コレステロールは、細胞膜やホルモン、胆汁酸の原料として、体に不可欠な成分です。しかし、増えすぎると動脈硬化などの原因となります。
体内においてコレステロールは、〝リボたんばく〟というたんばく質と結合して移動しています。このコレステロールとリボたんばくを結合させる接着剤の役割を果たしているのがレシチンです。
レシチンは、水と油両方になじむ乳化作用をもち、コレステロールが血管壁に沈着するのを防ぎます。また、コレステロールを肝臓に運んで排出させる働きをもつため、血中コレステロール値を調整し、動脈硬化を予防すると考えられています。
レシチンの留意点
レシチンは、卵黄にも含まれていますが、卵黄は、飽和脂肪酸やコレステロールなども多い食品なので、摂りすぎには注意が必要です。
そのため、レシチンを摂取するなら、大豆や大豆製品がおすすめです。大豆を食べることで、良質なたんばく質や、強い抗酸化作用をもつサポニンなども摂ることができ、より強力なコレステロール低下作用などが期待できます。
大豆レシチンの効果があると思われるもの
大豆レシチンには以下のような効果・効能が期待できます。
■大豆レシチンが含まれる食品例
大豆レシチンが含まれる食品には以下のようなものがあります。