塩素
塩素【概要】
- 塩素はミネラルである。
- 塩素は消化や殺菌などに作用を及ぼす。
- 塩素が不足することはまず無い。
塩素とは漂白剤に入っているあの塩素のことです。意外に思うかもしれませんが、塩素も人にとっての必須性が認められている、れっきとしたミネラルなのです。
成人の体内には約150gの塩素があると言われます。塩素は主に食塩から摂取し、胃の中で食物に対して殺菌にはたらくほか、消化を促進する作用があります。
塩素の効果・効能
塩素の主な効果・効能は胃の中にあります。胃にはタンパク質の消化にはたらくペプシンという酵素があります。胃液中に塩酸として含まれる塩素の働きは、ペプシンを活性化することです。同時に強力な酸で胃の中を最適なペーハー(酸、アルカリ度)にととのえたり、殺菌にも作用します。
塩素は膵液の分泌を促進する作用もあります。膵液とは膵臓で生産される消化にはたらく物質です。また血液中では、塩素は他のミネラルとともにペーハーバランスの調整に役立っています。
塩素の摂取方法
塩素はおもに食塩から取り入れています。食塩は、塩素とナトリウムが結びついた塩化ナトリウムです。食塩のとりすぎは高血圧を招くといわれますが、その原因はナトリウムのほうです。塩素は高血圧の心配はありません。
塩素の副作用・注意点
食塩を多めにとっても、余分な塩素は汗になったり尿になったりして容易に排泄されますから、塩素過剰による障害はおこりません。(勿論、食塩の摂り過ぎは高血圧など様々な問題を引き起こします。)
逆に塩素が不足すると胃液の酸度が低下し、食欲不振、消化不良を招きます。もっとも、通常生活において不足することはまずありえません。ただし、利尿治療や腎疾患などによる二次的な欠乏症で、無塩食を受けている場合は嘔吐などの症状がおきることがあるようです。
ところで、塩素というと水道水の消毒に使われています。塩素の入った水を飲んでいると、腸内細菌の繁殖状態が悪くなるという指摘があります。腸内細菌はビタミンB群の合成にはたらいていますから、ヨーグルト等を食べて腸内細菌をふやしてやるとよいでしょう。
塩素の効果があると思われるもの
塩素には以下のような効果・効能が期待できます。
■塩素が含まれる食品例
塩素が含まれる食品には以下のようなものがあります。