髪の毛の構造
髪の毛の成分はケラチンという非常に硬いたんぱく質でできています。
髪の毛を抜いてみると、今まで皮膚の中に隠れていた根元が白っぽい袋状の部分があります。この隠れていた部分を「毛根」、外に見えている部分を「毛幹」と言います。
上記の図「髪の毛の構造」に沿って説明します。皮膚から外に出ている髪の毛、つまり、私たちがさわったり、シャンプーしたりしている目に見える部分が「毛幹」といいます。毛幹には角化細胞(ケラチノサイト)と、色素細胞(メラノサイト)があり、髪の毛を作り出す工場のような役割を果たしています。
育毛剤などをつけるとき目に見える髪の毛にじかに育毛剤をつければ効果がある、と思い込んでいる方が多いと思いますが、それはカン違いです。
この毛幹は、角質化した死んだ細胞でできており、これをいくらケアしても、髪の毛は成長しません。髪の毛をつくっているのは「毛根」です。育毛剤などはさきほど述べた毛髪製造工場、つまり毛根に働きかけることが必要なのです。
さて、その毛根の内部には「毛母細胞」とよばれる細胞があり、この毛母細胞に栄養を補給しているのが「毛乳頭」です。毛乳頭は血液によって運ばれてきた栄養分を、毛細血管から吸い取って毛母細胞に送り込みます。
すると毛母細胞は、その栄養をもとに細胞分裂を繰り返します。細胞分裂して、増えて重ねられていった毛母細胞は、肌に近づくにつれ角質化していき、最後に髪の毛として外に出て毛幹となるわけです。
これでおわかりのように、髪が伸びるということは、髪の先が伸びるわけではなく、根元の毛根部から新しい髪の毛が押し出されてくるためなのです。さきほど、外に出ている髪の毛をケアしても、髪は成長しないといった意味もおわかりのことと思います。