骨盤
骨盤【概要】
骨盤とは、腰に手をあてたときに触れる「腸骨(ちょうこつ)」と、座ったときに座面にあたる「坐骨(ざこつ)」、体の前にある「恥骨(ちこつ)」という3つの部分からなる左右一対の「寛骨(かんこつ)」と、「仙骨(せんこつ)」、「尾骨(びこつ)」で構成されています。
骨盤の役割は大きく2つ。ひとつは、骨盤の内側にある腸や泌尿器などの臓器を保護し、支えることです。さらに女性では子宮や卵巣といった大切な臓器も骨盤に守られています。もうひとつは、骨格を支えることです。骨盤の上には背骨がつながり、下には大腿骨がつながって股関節を形成しています。骨盤は、上半身と下半身をつなぐ役割を担っているのです。
男性と女性の骨盤の違い
●男性の骨盤
女性の骨盤に比べ、やや幅が狭く、坐骨の角度が鋭角で狭くなっているため、座り続けても比較的ゆがみなどの影響を受けにくい。
●女性の骨盤
男性の坐骨に比べ幅が広く、坐骨の開きが鈍角になっているため、座ることで開きやすく、ゆがみやすい。
骨盤のゆがみの原因
女性の骨盤は、男性に比べて開きやすく、ゆがみやすい傾向があります。骨盤は、その周辺に巡らされた筋肉と靱帯によって支えられていますが、複数の骨が組み合わさってできているため、形を変えやすい性質があります。特に女性の骨盤は、月経周期に合わせて少しずつ開いたり閉じたりしているなど不安定な上、それを支える筋力が弱いことから、男性に比べて骨盤がゆがみやすい傾向にあります。
椅子に座るときに足を組む、立つときに片足に重心をかける、バッグはいつも同じ側で持つ、長時間のデスクワークでの座りっぱなしの生活、そして運動不足による筋力の低下…こういった日常の何気ない動作などの積み重ねによって、骨盤のゆがみが引き起こされます。
骨盤の歪みの影響
骨盤が歪み本来の形が保たれなくなると、大切な機能が果たせなくなってしまいます。骨盤が開いたままの状態でゆがむと、腸や子宮などの臓器が垂れ下がり、「ぼっこりお腹」の原因になります。
さらに、胃などの臓器までもが下がることで腸が圧迫され「便秘」になりがちになります。また、子宮が下がることで子宮と骨盤をつなぐ執帯が緊張し「月経痛」が起きやすくなったり、骨盤周辺の血管が圧迫されることで「冷え性」や「むくみ」の原因にもなります。
骨盤が歪むと背骨もゆがむため、背骨から全身へ向かってでている神経に影響を与え、「内臓の不調」の原因にもなりかねません。また、背骨のゆがみを正そうと筋肉が緊張することによって、「背中のコリ」や「腰痛」につながることもあります。
骨盤のゆがみ予防
骨盤のゆがみ予防するには、日常の動作や習慣を改善すること以外に、骨盤を支える「筋肉」と、骨盤を形成する「骨」、その両面からのケアが必要です。
骨盤のゆがみ予防のために筋肉を鍛える
筋肉は、使わないと筋力が低下していきます。本格的な筋肉トレーニングをしなくても、例えば、ウォーキングをすれば、恥骨を引き上げている腹筋や骨盤を下に引っ張っている大殿筋などを使うことができます。筋肉の維持には、適度な運動とともに、筋肉の材料となるアミノ酸を十分に補うことも大切です。
また、ウオーキングをする際は、隣の人と会話できるくらいの速度で15分以上続けることがおすすめです。さらに、体脂肪をエネルギー源として分解する成分を補うと効率よくシェイプアップすることができます。
●脂肪を減らして筋肉をつくるために摂りたい成分
BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)
筋肉に多く含まれるアミノ酸。運動時にはエネルギー源となるため、運動前に摂取すると疲れにくくなり、持久力アップに役立つ。また、筋肉を合成する働きがあるため、筋肉疲労や筋肉痛の軽減が期待できる。
L-カルニチン
筋肉細胞内のクエン酸回路へ脂肪酸を運び、脂肪を効率的にエネルギーへ変換する。
ガルシニア
体内にある脂肪の利用効率を高め、さらにカルニチンの働きを助けることで、脂肪の燃焼を促進させる。
コエンザイムQ10
クエン酸回路の最終段階で、脂肪酸やブドウ糖がエネルギーへ変換されるのを助ける。
L-オルニチン
アミノ酸の一種。脂肪分解を促す成長ホルモンの分泌を促進する。
骨盤のゆがみ予防のために骨を丈夫に保つ
上半身の体重を受け止めながら、歩行による股関節の動きを支えている骨盤ですから、丈夫な骨で形成されているのが理想です。しかし、年齢とともに骨がもろくなり、骨密度が低下していきます。特に女性は更年期を過ぎると急速に骨のカルシウムが減っていくので注意が必要です。
骨密度の低下を少しでも食い止めるためには、まず十分なカルシウム補給が必要です。そして、カルシウムを骨にしっかりと貯えるための成分を一緒に補うと効果的です。
●骨のために、カルシウムと一緒に摂りたい成分
マグネシウム
骨の構成成分で、神経の正しい働きなどにも必要なミネラル。
ビタミンD
腸管でのカルシウム吸収を促進し、骨の形成を助ける働きがある。
ビタミンK
骨の形成を促進して、骨からのカルシウム溶出を抑制する働きがある。
イソフラボン
骨からカルシウムが過剰に溶け出すのを防ぎ、骨密度を維持する働きがある。
ビタミンP(ヘスぺリジン)
骨量の減少を抑制する働きがある。
ツイントース
カルシウムなどミネラルの吸収や体内保有率を高め、骨の形成を促進する。
骨盤の矯正方法
骨盤を矯正するには、骨盤ベルトや骨盤ガードル、骨盤枕や骨盤整体など様々なものがありますが、まずは骨盤ストレットがおすすめです。
●簡単な骨盤ストレッチのやり方
【1】ひざの開脚
股関節を柔らかくし、左右の骨盤のゆがみを矯正します。次の「ひざ倒し」と組み合わせれば、おしりを小さくするストレッチにも効果的です。
①足をそろえてひざを立てる。
②足裏を合わせるようにしてひざを開いて20秒キープする。
目安:①~②×2セット
POINT
左右のどちらかが硬いことがありますが、無理しないで力を抜いて自分の足の重さにまかせましょう
【2】ひざ倒し
腰の緊張を緩め、骨盤を締めます。このストレッチはウエストを引き締め、くびれを作ります。
①両ひざを立てて、両手を横に開き、仰向けに寝る。
②足の力を抜いて左へゆっくり倒し、20秒ほどキープする。
目安:左右2回ずつ
POINT
無理に床につけようとせず、自然に倒せるところまでにしましょう
【3】片足ずつ伸ばし
左右の骨盤の高さを調整します。このストレッチは、ももとふくらはぎの筋肉を引き締める効果もあります。
①床に寝て両手を上げておく。
②左足のつま先を伸ばすようにしながら足全体を伸ばす。
③一度緩めてから、 2回目はつま先を上げて、かかとを押し出すようにする。
目安:つま先を伸ばして1回、つま先を上げて1回を1セットとし、左右2セットずつ行う。
POINT
つま先の向きのどちらかやりにくい方を特に意識して行いましょう。
骨盤に効果があると思われる食品成分
骨盤に効果があると思われる健康成分には以下のようなものがあります。