過敏性腸症候群(IBS)
過敏性腸症候群(IBS)【概要】
- 過敏性腸症候群(IBS)とは腸の特定疾患以外による下痢や便秘症状の総称。
- 過敏性腸症候群(IBS)の主な症状は腹痛や便秘、下痢。
- 過敏性腸症候群(IBS)の主な原因はストレスによる自律神経の乱れ。
過敏性腸症候群(IBS)とは腸に特定の疾患がないのに腹痛や便秘、下痢などになる症状の総称です。過敏性腸症候群は通称IBS(Irritable Bowel Syndrome)とも言われ、日本人の間で急速に増えている症状です。
過敏性腸症候群(IBS)の症状
過敏性腸症候群の多くは、便秘と下痢を交互に繰り返す状態が続きます。検査をしても特定の病気はみつかりません。
過敏性腸症候群による便秘のときは、うさぎの糞のようにコロコロしたかたい便や、細いひも状の便が出て、残便感があります。
過敏性腸症候群による下痢のときは、腹痛を伴うひどい状態はまれで、排便の量も少なめです。また、便秘と下痢を繰り返さなくても、おなかがシクシク痛んだり、腹部に鈍いモヤモヤ感が続いたりする傾向があります。
過敏性腸症候群の特徴として会社や学校にいる間や、通勤・通学の問に症状が強くなる傾向があります。
過敏性腸症候群(IBS)の原因
過敏性腸症候群のおもな原因は精神的なストレスによる自律神経の乱れです。職場や学校での人間関係、仕事の多さ、家庭でのもめごとなどが背景にあります。また、コンピュータによるテクノストレスも原因になります。
コンピュータを長時間使うことから慢性的な眼精疲労が起き、自律神経のバランスが乱れ、それが消化器官にも悪影響をもたらします。
過敏性腸症候群(IBS)の予防・改善方法
過敏性腸症候群の予防・改善には、ストレスの軽減がいちばん有効です。病院で治療を受ける場合も基本的には生活指導が中心となります。
ストレスの原因そのものは取り除けなくても、休養をとる、気分転換をする、趣味を楽しむ、緑の中を散歩するなど、心身を休める時間を作ると、ストレスが軽減され、消化器官の状態も整ってきます。
1日3食を規則正しくとり、栄養バランスをととのえることも大事です。コンピュータを長時間使う人は、画面だけに集中せず、ときどき遠くのものを見ます。遠くを見るだけで目の毛様体筋のストレッチになり、過敏性腸症候群の一因である眼精疲労を軽減できます。
過敏性腸症候群(IBS)に効果的な食品・成分
過敏性腸症候群の予防・改善には、腸内環境を整えることも大事です。整腸作用が高い食品は、ビフィズス菌などの乳酸菌を含む食品、例えばヨーグルト、りんご、納豆などです。また乳酸菌を増やすオリゴ糖も効果的です。
加えて、腸粘膜の過敏な状態を取り除くため、粘膜を保護する成分をとりましょう。これには、ムコ多糖、ビタミンB群(特にビタミンB2)、ビタミンEが役立ちます。
ムコ多糖とはコンドロイチン、ムチン、アルギン酸、ヒアルロン酸等で、これらを多く含むのは、いわゆるネバネパ食品で、山芋、オクラ、モロヘイヤ、なめこなどです。ビタミンB群は魚介、青菜などに多く、ビタミンEは緑黄色野菜、アーモンドなどのナッツに豊富です。
また、過敏性腸症候群の症状を緩和する食品としては、ペパーミントの効果が報告されています。ペパーミントはアメリカ原産のシソ科の多年草で、メントールのさわやかな風味が特徴です。古くから薬効の高さで知られ、消化促進、腹痛や胃痛の緩和のほか、神経を鎮める効果もあります。
過敏性腸症候群(IBS)に効果があると思われる食品成分
過敏性腸症候群(IBS)に効果があると思われる健康成分には以下のようなものがあります。