皮脂膜
- 皮脂膜とは美肌と保湿に欠かせない天然のクリームです。
- 皮脂膜の働きは保湿と肌のバリア機能。
- 皮脂膜の減少と常在菌バランスの崩れは肌荒れの原因に。
皮脂膜とは皮膚の表面を覆う脂質の膜のことです。皮脂膜は美肌と保湿に欠かせないもので、「天然のクリーム」とも言われています。
また皮脂膜は「NFM(天然保湿因子)」、「角質細胞間脂質」とともに「保湿の三因子」の一つでもあります。
皮脂はベタついたり、臭う、ニキビの原因になるなど悪いイメージがありますが、肌を潤し、外敵から肌を守る大切な成分なのです。
皮脂膜の成分
皮脂膜の主な成分は皮脂です。その他に汗や少量の角質細胞間脂質が混じってできています。
皮脂とは毛穴の入り口付近にある皮脂腺で分泌される脂質で、トリグリセリド、ジグリセリドといった脂肪酸を成分としています。

皮脂は平均して1日に約1~2g程度分泌され毛穴から出てきます。しかしながら皮脂の分泌量は性別や年齢、天候によって左右されます。年齢では幼児期と女性の20代、男性の30代で分泌量が増えると言われます。天候では暑い方が皮脂が分泌されやすくなります。
また皮脂の分泌量に大きな影響を与えるのが男性ホルモンです。そのため男性は女性より「脂っぽく」、また女性も月経などで一時的に男性ホルモンが多くなる時は皮脂量が増えます。
皮脂膜の働き
皮脂膜の働きは主に2つあります。
一つは保湿です。肌の表面に膜を張ることから肌の水分を蒸発しにくくしています。しかし、皮脂膜自体には保湿作用は無いので角質層における保湿(つまりNMF、細胞間脂質における保湿)が行われていないと効果がありません。つまり皮脂膜はあくまで他の保湿因子の補助的な役割にすぎないのです。
二つ目は外部刺激や細菌、カビなどの有害物質から肌を守る保護バリア機能です。皮脂膜のメインの働きはこちらと言えます。
私達の身の回りには無数の細菌やウィルスがあり、絶えずその危険にさらされています。皮脂膜は皮膚の表面を弱酸性に保つことにより、これら有害菌やウィルスを防いでいます。有害菌やウィルスはアルカリ性を好み酸性を嫌うからです。
このように皮脂膜は保湿と肌の保護という美肌には欠かせない働きをしているということになります。
肌を弱酸性に保つ皮脂膜の働きと仕組み
私達の肌は本来アルカリ性です。しかしアルカリ性のままだと前述の通り有害菌やウィルスが繁殖し肌を攻撃します。そうなると肌荒れや皮膚病になりやすくなります。
そこで皮脂膜は肌の表面を弱酸性にすることで外敵から肌を守るのです。肌の表面を弱酸性にする仕組みは、「常在菌」にあります。
常在菌とは肌に住みついている菌のことで、10種類とも250種類とも言われる菌が約1兆個ほど存在していると言われます。代表的なのがアクネ桿菌や表皮ブドウ球菌などです。
常在菌は紫外線を吸収、活性酸素を分解するなど、皮膚を保護するために様々な働きをしています。その中の一つが肌を弱酸性にする作用です。常在菌は、皮脂の脂肪酸を分解することで肌のpH値を下げ弱酸性にするのです。
皮脂膜が天然のクリームになる仕組み
皮脂膜は単なる皮脂の膜ではなく、常在菌が皮脂を分解することで肌のバリア機能を持った天然のクリームとなります。
常在菌の働きは先に述べた通りですが、肌に良いことばかりを行うという単純なものではありません。
例えば、ニキビの原因とも言われるアクネ桿菌は肌のpH値を下げ弱酸性にする働きがあります。もしpHが下がりすぎて酸性が強くなると別の常在菌がpHを中和し弱酸性に調整します。
さらにアクネ桿菌は肌を弱酸性にするのと同時に、遊離脂肪酸というニキビの元を生産します。しかし、その遊離脂肪酸を分解する常在菌も存在します。
このように常在菌はそれぞれが絶妙なバランスで相互作用を行い「天然のクリーム」を作っているのです。
皮脂膜による肌荒れ
皮脂膜が減少すると保湿も肌の保護作用も弱まりますので、当然肌荒れしやすくなります。また、常在菌のバランスの崩れも肌荒れにつながります。
常在菌はそれぞれの働きによる絶妙なバランスで肌を保護していますので、このバランスが崩れるとたちまち肌荒れの原因となります。
常在菌のバランスが崩れる原因には次のようなものがあります。
- 洗いすぎる
肌を洗いすぎると常在菌が存在できなくなります。 - 殺菌、抗菌しすぎる
殺菌、抗菌作用のある製品は悪い菌だけでなく常在菌まで殺してしまいます。 - 汗をかかない
普段汗を殆どかかない生活をしていると、たまにかく汗がアルカリ性の強いものになり、常在菌で処理しきれなくなることがあります。
これらの程度は個人差がありますので、自分なりに試しながら健康な皮脂膜を手に入れましょう。
