胃酸過多
胃酸過多【概要】
- 胃酸過多は胃もたれや胸焼けの原因となる。
- 胃酸過多の原因は刺激物の摂取や自律神経の異常。
- 胃酸過多にはビタミンUやカルシウム・マグネシウムが効果的。
胃酸過多とは胃酸が口腔内へ逆流する際に感じる不快な症状のことを指します。
胃酸過多は医学的には病気という認識ではなく一時的な症状と捉えられているようです。ただし、胃酸過多が慢性的になる場合は胃酸過多症と言う病名で呼ばれるようになります。
胃酸過多の主な症状
胃酸過多の顕著な症状は胃もたれや胸焼け、胃痛などです。またゲップが出やすくなったり口臭が臭くなることもあります。
胃酸過多がひどくなると胃炎に発展する恐れがあるので注意しましょう。
胃酸過多の原因
胃酸過多の多くの場合は、何らかの要因によって胃酸が増えることが原因ですが、胃酸の分泌が多くなくても、胃から食道への逆流が起これば胃酸過多は自覚されます。ちなみに食道への逆流はおなかの出た人に多く認められます。
胃酸が増える原因は明確になっていませんが、「刺激物の摂取」「自律神経の失調」「ガストリンの分泌過多」などと考えられています。
刺激物とは塩分や香辛料、カフェイン、アルコールなどのことです。これらは胃酸の分泌を促進する作用があります。また就寝前の食事などは胃酸の分泌を促進するので避けましょう。
ストレスや不規則な生活などは自律神経の失調を招きます。胃酸分泌のコントロールは自律神経によって行われているので自律神経が失調すると胃酸過多もしくは胃酸減少を招きます。
ガストリンとは胃酸分泌を促すホルモンです。ガストリンの分泌が多くなると胃酸過多になります。ガストリンの分泌が多くなる原因は自律神経にも関係しますが、その他にも高ガストリン血症という病気、ピロリ菌によるものがあります。
動物性たんぱく質の多い食物を食べるとガストリンの分泌が増えるという研究報告もあります。近年、胃もたれや胸焼けの症状を訴える人が多くなってきているのは動物性たんぱく質の多い欧米食が増えてきたからという見方があります。
また胃酸過多は逆流性食道炎という胃を切除した場合などに起こる病気の一症状でもあります。
胃酸過多の対処方法
胃もたれや胸焼けがひどい場合は、胃酸過多以外の原因も考えられますのですぐ医師に診断してもらってください。
胃酸過多による胃もたれや胸焼けは、耐えられるという場合でも放置すると慢性化して胃酸過多症になる可能性があるので早めの対処が必要です。
胃酸過多の対処は、短期的には胃薬の利用が効果的です。ただし胃酸を抑えるタイプの胃薬でないと逆効果になる恐れがあるので、薬剤師に相談して胃薬を選びましょう。また、後述しますが胃酸を抑えるビタミンU、カルシウムやマグネシウム、アラキドン酸などを含む食事を意識的に摂るようにしましょう。
長期的には胃酸過多の原因を取り除くことが重要です。食事習慣を含めた生活習慣の見直し、ストレス解消などを心がけるなど自分の原因を認識してそれを排除することが大切です。もし胃酸過多になる原因の心当たりが無い場合は、消化器内科等で相談してみましょう。
胃酸過多に効果的な食事
胃酸過多の場合は、まず水を飲んで胃酸を薄めるようにしましょう。この場合ジュースやコーヒーにすると返って胃酸分泌を促進するので絶対に避けましょう。
食事としてはビタミンUを含むものが効果的です。ビタミンUはキャベツやブロッコリー、アスパラガスなどに含まれています。
またカルシウムやマグネシウムも胃酸分泌を抑える働きがあります。カルシウムは牛乳やひじき、魚類などに含まれており、マグネシウムは納豆やピーナッツなどに含まれています。
その他に脂質であるアラキドン酸も効果的と言われます。アラキドン酸は卵黄や肉類、魚介類に含まれています。ただしアラキドン酸は様々な食物に含まれており、現代社会では過剰摂取傾向にあるので特別に摂取する必要は無いと思われます。
胃酸過多に効果があると思われる食品成分
胃酸過多に効果があると思われる健康成分には以下のようなものがあります。