切り傷・擦り傷
切り傷・擦り傷【概要】
- 切り傷・擦り傷の応急処置は「洗浄して止血」が基本。
- 切り傷・擦り傷は「消毒しない」「乾かさないで治す」という説がある。
- 切り傷・擦り傷はとにかく破傷風に気をつける。
切り傷・擦り傷はいわゆる「一般的な外傷もしくはケガ」と言われるもので、日常生活を営む上で常にその危険性を伴います。
人間には自然治癒力があり、衛生状態が良い現代の日本では切り傷・擦り傷が大事に至ることは多くありません。しかし、大した切り傷・擦り傷でなくても破傷風やガス壊疽などの細菌感染の可能性があります。破傷風は致死率が50%という大変危険な病気です。
ですので切り傷・擦り傷の場合、注意すべきは破傷風などの細菌感染にならないよう応急処置をしっかり行うことが必要です。
切り傷・擦り傷の応急処置方法
切り傷・擦り傷の応急処置は「洗浄して止血」が大原則です。
特に大切なのはしっかり洗うことです。また傷口に異物があれば出来る限り取り除きます。それが破傷風などの細菌感染を防ぐ一番有効な手段なのです。
切り傷・擦り傷の応急処置手順
- 傷口を水道水などの水でよく洗い流す
※出血がひどい場合は洗わない。
※傷口に異物がある場合は出来る限り取り除きます。ただし、大きな異物は取り除くと出血する場合があるのでそのままにして、すぐ病院に行きます。 - 消毒薬を使い消毒する
※消毒薬は必ずしも必要ではありません。
※強い消毒薬は使用してはいけません。消毒薬をつける時の痛みと効果は関連性がありません。
※消毒液はポビドンヨードかクロルヘキシジンが良いとされます。
※過酸化水素水は消毒効果はありませんが、泡で異物を押し出します。
※とヨードチンキ、赤チンキは効果が薄いとされます。 - ガーゼなどを傷口にあて止血する。
※腫れている場合は止血と同時に冷やす。 - ガーゼの上から包帯を巻く。
※定期的にガーゼと包帯を交換します。
※傷や腫れがひどい場合は迷わず医者に行ってください。
切り傷・擦り傷治療の新しい考え方
切り傷・擦り傷は、前述の通り傷口を消毒してガーゼをあて、傷口を乾燥させて治すという考え方が一般的でしたが、最近ではその全く逆の「消毒はしない」「乾燥させない」方が傷は早くきれいに治るという説が有力になってきています。
これは「湿潤治療」と呼ばれているようですが、この理論のポイントは次のようなものです。
- 消毒という行為には殆ど意味がない。
※破傷風菌は消毒液程度では死なないからである。
※むしろ正常な組織まで傷つきかねない。 - 水で洗い流すことは必要。
- 異物、壊死組織を取り除くことは必要。
- 傷は乾燥させてはいけない。
※かさぶたなどで傷に蓋をするとバイ菌が閉じ込められ化膿する恐れがある。
※乾燥させる時にガーゼなどにくっつき、痛い。
※かさぶたが無理にはがれる場合があり、治りが遅くなる。 - 傷を乾燥させないためには空気に触れさせないだけでよい。
※極端なことを言うと、ラップを巻いておくだけで良い。 - 後は自然治癒で治る。
この理論はかなり画期的で医療界ではまだコンセンサスはとれていませんが、かなりの実績があるようです。特に「乾燥させてはいけない」という部分は徐々に医療界にも浸透してきている感じがあります。
ちなみに傷を乾燥させないためにラップを利用することは本当のようですが、汗疹ができたり治療に向いていません。現在ではラップの代わりに傷口を乾かさない包帯・絆創膏として以下のような医療品が数多く販売されるようになっています。
●プラスモイスト【amazon】【楽天】
●ハイドロコロイド【amazon】【楽天】
☆オススメは以下の商品です。
|
| ||
|
切り傷・擦り傷の治療
切り傷・擦り傷の傷がひどい場合や腫れている時などは必ず医師に診てもらいましょう。特に大きな異物や何かが深く刺さっている場合などは、異物が止血している場合があるので無理に取らず病院で処置をしましょう。
切り傷・擦り傷の治療はまず、患部を洗い異物や壊死した組織を取り除きます。その後、消毒を行い必要であれば縫合します。患部が腫れていたり化膿がひどい場合、またリンパ節が腫れている場合は抗生物質の服用や点滴を行うこともあります。
切り傷・擦り傷が原因で起こる病気
切り傷・擦り傷は細菌感染することがあります。大半の場合は化膿する程度で済みますが特定の細菌に感染すると非常に危険な病気に発展する恐れがあります。それは次のようなものです。
破傷風
土壌に含まれる破傷風菌の感染によって起こる病気です。丁度ケガが治る2週間後ぐらいに発病するのが特徴です。始めは口が開きにくくなり、顔の筋肉が痙攣し、その後痙攣が全身に広がっていきます。最終的には死亡することもありますが、早めに治療すれば軽度ですみます。
ガス壊疽
腐敗菌と呼ばれる細菌に感染した時に発病する病気です。ケガから24時間ぐらいで傷口の痛みが強くなり、元気がなくなってきます。その後、傷口に気体がたまっているような感じがしてきて、水疱や茶色の斑点がでてきます。最終的には傷口から壊死が広がっていき、ひどい場合は手足の切断や死亡することもあります。
切り傷・擦り傷が治りにくいケース
人によっては切り傷・擦り傷が治りにくいことがあります。それには次のような原因が考えられます。
切り傷・擦り傷に効果があると思われる食品成分
切り傷・擦り傷に効果があると思われる健康成分には以下のようなものがあります。