タイ(鯛)
タイ(鯛)【概要】
タイ(鯛)科の魚は世界中に百数十種類もいるが、日本周辺で捕れるタイ(鯛)はマダイ、チダイ、クロダイ、キダイなどのことを指します。
タイ(鯛)は大体全長約50cmの魚です。マダイの場合は1m程度まで大きくなるが、大きすぎるものは調理には用いられません。タイ(鯛)は色鮮やかで味もよく、さらには名前が「めでたい」に通じることから、縁起のよい魚として祝い事の際などに重宝されます。
タイ(鯛)の中でもマダイは味がよいことからタイ(鯛)の王様格とされ、瀬戸内海の明石のタイ(鯛)が最上と言われています。おいしさのもとは、タイ(鯛)に豊富に含まれる旨味成分イノシン酸やタウリンにあります。タウリンにはコレステロール値低下作用があり、動脈硬化予防に有効です。調理後もタイ(鯛)の味があまり変化しないのは、酸化を早める脂肪が少なく、イノシン酸の分解速度が遅いために劣化がゆるやかなためです。その他、タイ(鯛)にはエネルギー代謝を促進するビタミンB1・ビタミンB2、ナイアシンも豊富です。タイ(鯛)にはクセがなく栄養価が高いので食欲不振のときや病後にもよいです。
[タイ(鯛)の選び方のポイント]
タイ(鯛)は鮮度が落ちると体の色が鮮赤色から桃色に変化するため、色の鮮やかなものがよいです。また、目が澄んでいて体にはりのあるタイ(鯛)を選ぶとよいです。
[タイ(鯛)の種類と仲間]
●マダイ(真鯛)
マダイ(真鯛)は全長が約50cm~1mのタイ(鯛)です。マダイ(真鯛)は北海道南部から南九州、朝鮮半島、台湾、東シナ海などに分布しています。マダイ(真鯛)の特徴は赤色の体に青い斑点がちらばっているところと尾びれの後縁が黒いところです。
●チダイ
チダイは全長約35cmのタイ(鯛)です。チダイは北海道から南日本、朝鮮半島、南シナ海に分布しています。チダイはマダイによく似ていますが、尾びれの後縁が黒くありません。
●キダイ(黄鯛)
キダイ(黄鯛)は全長約25cmのタイ(鯛)です。キダイ(黄鯛)は新潟以南の日本海、朝鮮半島、東シナ海に分布しています。黄色がかった赤色の体をしているのがキダイ(黄鯛)の特徴です。
●クロダイ(黒鯛)
クロダイ(黒鯛)は全長約45cmのタイ(鯛)です。クロダイ(黒鯛)は北海道から南日本、朝鮮半島、台湾、中国に分布しています。クロダイ(黒鯛)は黒い灰色の体で、腹側は銀色です。
[タイ(鯛)の主な栄養素(可食部100g当たり/マダイ・天然・生]
・たんぱく質・・・20.6g(アミノ酸スコア97)
・脂質・・・5.8g
・ビタミンD・・・5μg
・ビタミンE・・・1mg
・ビタミンB1・・・0.09mg
エネルギー:142kcal(100g当たり)
[タイ(鯛)の主な生理機能成分(推定機能)]
●IPA(EPA)(血栓防止)
IPA(EPA)は不飽和脂肪酸です。IPA(EPA)は血栓の形成を抑え、動脈硬化、高血圧、ガンを予防する効果が期待できます。
●DHA(脳神経細胞機能の維持)
DHAは不飽和脂肪酸です。DHAは脳細胞を発達・活性化させ、記憶力、学習能力を向上させる効果が期待できます。またDHAはコレステロール値を低下させる効果も期待できます。さらにDHAはアレルギー症状を緩和・改善。ガンを予防なども期待できます。
●イノシン酸(代謝機能促進)
イノシン酸は動物性食品に含まれる核酸系旨味成分です。イノシン酸は細胞代謝機能維持に不可欠な物質です。
●タウリン(動脈硬化抑制)
タウリンはアミノ酸の一種です。タウリンはコレステロールを代謝して体外排出を促進します。タウリンは心臓機能強化、動脈硬化予防、血圧低下、肝臓の解毒作用強化の効果が期待できます。
[タイ(鯛)の期待される効果・効能]
血栓防止 脳機能維持改善 動脈硬化予防 細胞老化防止 視力維持改善 アレルギー抑制 ガン抑制
タイ(鯛)に含まれる健康成分
タイ(鯛)に含まれる健康成分には以下のようなものがあります。