トビウオ(とびうお)
トビウオ(とびうお)【概要】
トビウオ(とびうお)は世界の温帯から熱帯にかけて50種類以上が生息している魚です。日本では北海道以南の沿岸に29種類のトビウオ(とびうお)が分布しています。トビウオ(とびうお)は黒潮にのって群れで北上し、春から夏にかけて沿岸の海草などに産卵していきます。トビウオ(とびうお)の名前はその海面を飛ぶ能力に由来しています。
トビウオ(とびうお)は長い胸びれを翼のように広げて海面を飛び、その高さは7~8mあります。トビウオ(とびうお)の滑空距離は400m近くもあるといいます。トビウオ(とびうお)のなかには腹びれも広げて、4翼で飛ぶものもいます。トビウオ(とびうお)は総じて運動量が非常に多いため、脂肪量が少なく低エネルギーです。
クセがなくさっぱりとしたトビウオ(とびうお)の身はどんな料理にも合います。九州や山陰地方ではトビウオ(とびうお)のことを「アゴ」と呼び、小さいものはだしをとるための煮干し(アゴ干し)や練り製品に利用されています。伊豆地方ではトビウオ(とびうお)をくさやの材料に利用します。トビウオ(とびうお)の卵はトビッコと呼ばれ、高血圧を予防するカリウムなどのミネラル類が豊富です。
[トビウオ(とびうお)の種類と仲間]
■アカトビ:全長約35cm。インド・太平洋の熱帯から温帯域に分布。日本では八丈島で大量に漁獲されます。
■アヤトビウオ:全長約30cm。房総半島以南のインド・太平洋に分布しています。
■ハマトビウオ:全長約50cm。日本近海で漁獲されるトビウオのなかでは最大級。南日本沿岸と東シナ海に分布しています。
■ツクシトビウオ:全長約35cm。別名カクトビとも呼ばれ、腹側が角張っていることに由来します。
■ホソトビウオ:全長約30cm。北海道以南の日本各地、台湾に分布しています。
[トビウオ(とびうお)の主な栄養素(可食部100g当たり/生)]
・たんぱく質・・・21g(アミノ酸スコア100)
・脂質・・・0.7g
・リン・・・340mg
・ビタミンD・・・2μg
・ビタミンE・・・2.3mg
エネルギー:96kcal(100g当たり)
[トビウオ(とびうお)の主な生理機能成分(推定機能)]
■IPA(EPA)(血栓防止)
不飽和脂肪酸。血栓の形成を抑え、血液の流動性を高め、動脈硬化、高血圧を予防。アレルギー症状を緩和・改善します。またガンの予防が期待できます。
■DHA(脳神経細胞機能の維持)
不飽和脂肪酸。脳細胞を発達・活性化させ、記憶力を向上し、情報伝達・神経組織の機能を維持。老人性認知症を改善します。コレステロール値を低下。アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を改善します。ガンの予防が期待できます。
■セレン(抗ガン、抗老化)
ミネラルの一種。抗酸化作用があり、ガン、動脈硬化、老化を予防。母乳に多く含まれている成分です。
[トビウオ(とびうお)の期待される効果・効能]
血栓防止 動脈硬化予防 脳機能維持改善 細胞老化防止 免疫力強化 骨の強化 アレルギー抑制
[トビウオ(とびうお)の選び方のポイント]
トビウオ(とびうお)は背びれ付近が青黒く輝いていて、目が黒く澄んでいるものが良いとされます。
トビウオ(とびうお)に含まれる健康成分
トビウオ(とびうお)に含まれる健康成分には以下のようなものがあります。