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ビタミンB6   vitaminB6 Vit.B6 ビタミンB6  効果、食品

ビタミンB6

ビタミンB6【概要】

ビタミンB6はたんぱく質(アミノ酸)の代謝や神経伝達物質に欠かせない酵素(補酵素)です。

人間の体の大部分はたんぱく質と神経伝達物質で機能しているのでビタミンB6は非常に重要な栄養素と言えます。逆に不足すると様々な弊害が起きます。特徴的なものとしては肌荒れや手足のしびれでしょう。

ビタミンB6はマグロやカツオ、いわしなど魚類に多く含まれますが、非常に多くの食べ物に含まれているので、普通の食事をしていれば不足することはありません。ただし、体内に蓄積されないので常にビタミンB6を摂る必要があります。

もし摂りすぎたとしても食べ物から摂っている分には不要な分は排出されるので過剰症を心配する必要はありません。

その他の詳しい情報に関しては以下に記載しますので、必要に応じてをお読みください。

基本情報

ビタミンB6は多くの食品に含まれている栄養素で、たんぱく質(アミノ酸)の代謝に必要不可欠なビタミンです。

名称

ビタミンB6(びたみんびーろく)

英語表記

VitaminB6

化学名・別名

ビタミンB6の化学名以下で、これらの総称でもあります。

  • ピリドキシン (pyridoxine)
    ※アデルミン (adermin)と呼ばれる場合もある。
  • ピリドキサール (pyridoxal)
  • ピリドキサミン (pyridoxiamine)
  • ピリドキシン-5-リン酸(PNP)
  • ピリドキサール-5-リン酸(PLP)
  • ピリドキサミン-5-リン酸(PMP)

一般的にビタミンB6と言うとピリドキシンのことを指す場合が多い。リン酸型のビタミンB6は主に体内での物質となります。

ビタミンB6の医薬品名

塩酸ピリドキシン

発見の由来

ビタミンB6は1934年ドイツのジエルジー(P.Gyöergy)よって発見されました。

ネズミに起こる皮膚炎(ペラグラ様皮膚炎)がB1やB2では治らず、酵母の抽出物からこの皮膚炎予防因子を発見し、ビタミンB6と名付けました。

科学的な性質

  • 水溶性ビタミン
  • 水に溶けやすく、エタノールには溶けにくい
  • 中性、アルカリ性に弱い
  • 酸性でやや安定する
  • 光(紫外線)に弱い
  • 熱にやや弱い
  • 色は白色から微黄色

体内での性質

ビタミンB6は小腸で吸収され、肝臓に運ばれます。そこでリン酸化され、そのリン酸化されたものが様々な働きをします。

体内で蓄積されるか?

されません。

ビタミンB6は体内で蓄積されず、利用されなかったビタミンB6は全て排出されてしまうので毎日摂取する必要があります。

体内で合成されるか?

されます。

ただし、人そのものにビタミンB6を合成する能力はありません。

ビタミンB6は腸内細菌によって産生されます。ですので、腸内環境が乱れているとビタミンB6が不足することがあります。

必要摂取量

厚生労働省による「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によるとビタミンB6の必要摂取量の目安は以下の通りとなっています。

ビタミンB6摂取量の目安量

※1日あたりの必要摂取量

1~2(歳)
男性:0.5mg/女性:0.5mg
3~5(歳)
男性:0.6mg/女性:0.6mg
6~7(歳)
男性:0.8mg/女性:0.7mg
8~9(歳)
男性:0.9mg/女性:0.9mg
10~11(歳)
男性:1.2mg/女性:1.2mg
12~14(歳)
男性:1.4mg/女性:1.3mg
15~17(歳)
男性:1.5mg/女性:1.3mg
18~29(歳)
男性:1.4mg/女性:1.2mg
30~49(歳)
男性:1.4mg/女性:1.2mg
50~69(歳)
男性:1.4mg/女性:1.2mg
70以上(歳)
男性:1.4mg/女性:1.2mg
妊婦
年齢別の必要摂取量+0.2mg
授乳婦
年齢別の必要摂取量+0.3mg

(参考)
ビタミンB6含有量の高いといわれる「まぐろの赤身」100gには0.85mgのビタミンB6が含まれていると言われています。

ビタミンB6の主な働き

ビタミンB6は体内の代謝に関わる100を超える酵素反応に必要なビタミンと言われますので、細かいものを入れると紹介しきれません。

そこで、特に重要な6つの働きをご紹介します。

1.たんぱく質(アミノ酸)の代謝

たんぱく質(アミノ酸)の代謝はビタミンB6の最も重要な働きと言えます。

たんぱく質は外部(肉などの食事)から摂ると一度アミノ酸という物質群に分解され、各組織に合ったたんぱく質に作り変えられます。これがたんぱく質(アミノ酸)の代謝です。

このたんぱく質の代謝に広い範囲で必要なのがビタミンB6(特にピリドキサール-5-リン酸)です。

たんぱく質は筋肉の代名詞でもあるため、いわゆる「筋力」的なことを思い浮かべるかもしれませんが、たんぱく質は各臓器や皮膚、髪など体内における殆どの組織を形成する物質です。人間はたんぱく質の塊なのです。

つまり、人間の全ての組織が正常に機能するためにはビタミンB6が必須と言っても過言ではありません。

2.神経伝達物質の合成

ビタミンB6はセロトニン、ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリン及びγ-アミノ酪酸(GABA)など主要な神経伝達物質の合成に必要な成分となっています。

神経伝達物質は感覚や運動機能、そして精神状態を正常に保つために必要な非常に重要な物質です。

3.ヘモグロビンの合成

ヘモグロビンとは血液中にある赤血球の構成物質で、主な働きは酸素を体中に運搬することです。

ビタミンB6はこのヘモグロビンを合成する時に必要な補酵素です。ですのでビタミンB6が不足すると貧血などの症状を起こしやすくなります。

4.抗体の産生

抗体とは正式には免疫グロブリン(Ig)と言います。抗体とは正式には免疫グロブリン(Ig)と言います。免疫機能の主要物質で、ウィルスや細菌などを探知し、目印をつけたり中和する働きがあります。

マクロファージや好中球など攻撃型の免疫組織はこの目印に誘導され、ウィルスや細菌を排除します。

この抗体はたんぱく質でできており、この抗体を作る過程でもビタミンB6が重要な働きをします。

5.脂質の代謝

ビタミンB6はセラミドに代表されるスフィンゴ脂質という脂質の代謝における必須成分です。

セラミドは肌の保湿成分としてよく知られています。セラミドの不足はアトピー性皮膚炎の要因になると言われています。

また、セラミドは細胞膜の構成要素で、分化、アポトーシスなど細胞の活動サイクルに大きく関わっているとされます。

6.糖新生の代謝

通常、人間の主なエネルギー源であるブドウ糖は炭水化物などの糖質から摂取すます。しかし、飢餓などにより糖質が摂取できなくなると、人間は脂質など糖質以外の栄養素を代謝してブドウ糖を作り出します。

このことを「糖新生」と言い、ビタミンB6はこの代謝における重要な成分となっています。

近年流行りの糖質ダイエット(炭水化物ダイエット)などはこの仕組みを利用しています。

ビタミンB6の効果・効能

ビタミンB6の健康効果は数多くありますが、特に効果的と言われるのが以下のものです。

ただし、ビタミンB6を摂るとこれらの効能や効果が通常より増進するというわけではありません。効果が期待できるのはこれらに対してビタミンB6不足が関係している場合です。

筋力アップ

効果性:

ビタミンB6はたんぱく質(アミノ酸)代謝に大きく関係しているので、筋力アップに効果的です。勿論一緒にたんぱく質を多く摂る必要があります。

筋力アップの詳細はこちら

美肌・肌荒れ

効果性:中

肌(皮膚)はビタミンB6が関係するたんぱく質代謝の影響が大きく出る場所です。また、肌の保湿成分であるセラミドの合成にもビタミンB6は関係するので、ビタミンB6は美肌・肌荒れ改善に欠かせない成分です。

美肌の詳細はこちら
肌荒れの詳細はこちら

美髪

効果性:中

髪の毛の健康はたんぱく質の大きく左右されます。その為、たんぱく質の合成を促進するビタミンB6は美髪に効果的と言えます。

美髪の詳細はこちら

精神安定

効果性:中

ビタミンB6は神経伝達物質の合成やホルモン調整に関わっているので、抑うつなどの症状にビタミンB6が効く場合があります。

精神安定の詳細はこちら

記憶力(認知力)

効果性:中

これもビタミンB6が神経伝達物質の合成に関わっていることが要因と思われますが、血中のビタミンB6濃度の高い高齢者ほど記憶力がよいという報告があります。ただし、若く健康な人や認知症の人には効果が無いようです。

記憶力の詳細はこちら

末梢神経障害

効果性:

末梢神経障害とは筋力低下や筋肉のしびれ、痛みや立ちくらみ、発汗異常など末梢神経の働きに障害が出る病気です。

ビタミンB6は末梢神経に大きく関わっているため、末梢神経障害に効果が期待できる場合があります。

記憶力の詳細はこちら

痙攣(けいれん)

効果性:低

乳幼児の痙攣(けいれん)およびてんかん発作にビタミンB6が効果的な場合があります。

これも神経伝達物質が関係していると考えられ、治療においてもビタミンB6の大量投与を行うことがあります。

痙攣の詳細はこちら

こむら返り(足がつる)

効果性:低

ビタミンB6が関与する神経伝達物質には刺激を抑制する働きを持っているものがあります。こむら返りの原因に一つにそういった神経伝達物質の不足があります。

その為、就寝時に足がつるような人にはビタミンB6の摂取が効果的かもしれません。

こむら返りの詳細はこちら
足がつるの詳細はこちら

手足のしびれ

効果性:低

手足のしびれの原因はいくつかありますが、その一つが前述した末梢神経障害です。

末梢神経障害による手足のしびれの場合にはビタミンB6が効果的と言えます。

手足のしびれの詳細はこちら

貧血

効果性:低

ビタミンB6は赤血球にあるヘモグロビンの合成に関わっています。ヘモグロビンは酸素を運ぶ働きがあるので、ビタミンB6を摂取することで酸素不足による貧血が改善する可能性があります。

貧血の詳細はこちら

免疫力

効果性:中

ビタミンB6は重要な免疫機能である抗体の産生に関わっています。またビタミンB6が不足するとリンパ球やマクロファージなど重要な免疫組織を作っている胸腺という臓器が萎縮することが分かっています。

そういったことからビタミンB6は免疫力の維持に効果的と言えます。

免疫力の詳細はこちら

アレルギー症状

効果性:低

ビタミンB6は免疫力を正常に維持する働きもあるためアレルギー症状にも効果的と言われます。ただし、アレルギー症状の原因はもう少し複雑な免疫バランスの問題なのでビタミンB6の効果は限定的と考えられます。

アレルギー症状の詳細はこちら

動脈硬化

効果性:中

ビタミンB6が不足すると血液中で有害なホモシステインが増加します。このホモシステインは悪玉コレステロール(LDL)と結びつくので動脈硬化のリスクが高まります。

その為、ビタミンB6を摂ることは動脈硬化の予防に効果的とも言えるのです。

動脈硬化の詳細はこちら

糖尿病

効果性:中

ビタミンB6はいくつかの点で糖尿病との関わりがあります。まず糖尿病の人は糖質が制限されるのでビタミンB6が促進する糖新生が盛んになります。

また、ビタミンB6は糖尿病の軽減に有効と言われる微量ミネラルのクロムの吸収を間接的に高める働きがあると言われます。

更に糖尿病が要因となる動脈硬化を軽減する効果もビタミンB6には期待できると言われています。

糖尿病の詳細はこちら

妊娠中の吐き気・つわり

効果性:中

妊娠中の吐き気(つわり)はビタミンB6不足によるアミノ酸代謝異常が要因となることがあります。そういった場合はビタミンB6を摂取することにより改善が期待できます。

妊娠中毒症にもビタミンB6は効果的と言われ、ビタミンB6は妊娠中に必要なビタミンの一つです。

痙攣の詳細はこちら

月経前症候群(PMS)

効果性:中

月経前(生理前)のいらいらや頭痛、うつ状態などいわゆる月経前症候群(PMS)の症状を軽くするのにビタミンB6が効果的と言われます。

なぜ月経前症候群(PMS)にビタミンB6が効果的なのかは明らかになっていませんが、多くの研究結果で有効性が示されています。

月経前症候群(PMS)の詳細はこちら

脂肪肝

効果性:中

ビタミンB6は脂質の代謝を促進するので肝臓における脂肪分の蓄積を軽減します。

通常の場合であれば心配する必要はありませんが、脂肪分を多く含む食事をしたり、アルコールを多く飲む人にとってビタミンB6は脂肪肝を予防するのに効果的と言えます。

脂肪肝の詳細はこちら

成長促進

効果性:高

ビタミンB6は丈夫な筋肉、皮膚や粘膜、爪や髪の毛などの組織を作ったり、健全な神経を保つなど成長を促進する働きがあります。

成長促進の詳細はこちら

その他

科学論文、研究発表等でビタミンB6の効果性が示唆されている症状には以下のようなものがあります。

  • 鉄芽球性貧血
  • ビタミンB6欠乏症の予防と治療
  • キサンツレン酸尿症、初期のシスタチオニン尿症、初期のホモシスチン尿症、初期の高シュウ酸塩尿症などを含む代謝異
  • 常の患者の治療に対する作用
  • 高ホモシステイン血症の改善
    ※葉酸およびビタミンB12との併用が必要
  • 遅発性ジスキネジー
  • セロトニンレベルの低い多動性脳機能障害症候群
  • 腎臓結石の再発リスクの減少
  • 全身麻酔に関連する高ホモシステインの減少に対する作用

特にビタミンB6が必要な人・不足しやすい人

ビタミンB6は普通の食事で必要量が摂取できるので特に気にする必要は無いのですが、以下のような人はビタミンB6を多めに摂った方が良いかもしれません。

たんぱく質を多く摂る人

ビタミンB6はたんぱく質の代謝に消費されるため、肉などたんぱく質を含む食事を多く食べる人はそれに比例してビタミンB6も必要となります。

お酒を多く飲む人

お酒(アルコール)から産生される物質がビタミンB6を分解する性質も持つため、ビタミンB6不足になる傾向があります。アルコールとビタミンB6不足から肝臓の負担が大きくなり、脂肪肝や肝硬変のリスクが高くなります。

妊娠中の人

妊娠中はビタミンB6が不足しやすくなります。またビタミンB6を多めに摂取することでつわり(吐き気)が軽くなったり妊娠中毒症の予防が期待できます。

月経(生理)前の人

ビタミンB6は月経前症候群(PMS)の症状を軽くする効果が期待できます。

ピルを飲んでいる人

ピルを飲むとビタミンB6が通常よりも多く消費されることがあります。その場合ビタミンB6の摂取量を増やす必要がありますが、必ず事前に医師に相談しましょう。

糖尿病の人

糖尿病の患者で糖質制限をしている人はビタミンB6が不足しやすくなります。また、ビタミンB6は糖尿病の合併症となる動脈硬化や末梢神経障害の予防・改善が期待できます。

貧血気味の人

ビタミンB6不足による貧血がありますので、その場合はビタミンB6の摂取量を増やすと完全します。

肌荒れが気になる人

ビタミンB6不足による肌荒れがありますので、ビタミンB6を多く摂ると肌荒れが改善する可能性があります。その場合は他のビタミンB群も一緒に摂るとより効果的です。

抗生物質を飲んでいる人

ビタミンB6は腸内細菌によっても合成されます。抗生物質を飲むと腸内細菌が激減するためビタミンB6不足になる可能性があります。

便秘・下痢の人

便秘や下痢になっている場合は腸内環境が悪化している可能性があります。その場合は腸内でビタミンB6が合成されにくくなっており、不足する可能性があります。

腎機能障害のある人

腎機能が低下した人はビタミンB6が不足しやすい傾向があります。

関節リウマチの人

関節リウマチなど自己免疫疾患の患者もビタミンB6が不足しやすい傾向にあります。

成長期の子供

成長期にある子供は代謝が活発なためビタミンB6の必要量が増します。肉体的にも精神的にもビタミンB6が必要な時期ですので意識して摂るようにしましょう。

ビタミンB6を多く含む食品・食べ物

ビタミンB6は魚やとり肉に多く含まれています。お薦めはカツオととり肉(むね)です。

以下、ビタミンB6を多く含む食品・食べ物をご紹介します。

参考)文部科学省「日本食品標準成分表(七訂)」
※含有量は可食部100gあたりの量です。
※必要摂取量は成人を対象にしており1.2~1.4mgを目安にしています。

にんにく

部位/形態:りん茎、生
ビタミンB6の含有量:1.50mg

ニンニクだけだと95g程度で必要摂取量になります。にんにく1かけらは約6gですので16個ぐらい食べる必要があります。ちょっと厳しいですね。

尚、油炒めにするビタミンB6の量が増えるようです。成分表では含有量が1.80mgとなっていました。

にんにくの詳細はこちら

ピスタチオ

部位/形態:いり、味付け
ビタミンB6の含有量:1.22mg

ピスタチオだけだと115g程度で必要摂取量になります。115g食べるのは簡単でしょう。他の栄養成分も多いピスタチオですがカロリーも高いのでご注意を。

ピスタチオの詳細はこちら

ひまわりの種

部位/形態:フライ、味付け
ビタミンB6の含有量:1.18mg

ピスタチオだけだと118g程度で必要摂取量になります。ひまわりの種は日本ではあまり食されていませんが大変栄養価の高い食べ物です。

ひまわりの種の詳細はこちら

かぶの漬物

部位/形態:葉、塩漬け
ビタミンB6の含有量:1.10mg

かぶの漬物だけだと127g程度で必要摂取量になります。

漬物であれば118g程度はすぐ食べられるでしょう。

かぶの葉の詳細はこちら

みなみまぐろ(インドマグロ)

部位/形態:赤身(皮なし)、生
ビタミンB6の含有量:1.08mg

みなみまぐろだけだと130g程度で必要摂取量になります。マグロを130g食べるのは簡単ですがお金がかかりますね。。

尚、まぐろ類はビタミンB6を多く含む食品が多くあります。

  • みなみまぐろ(脂身[とろ]、生):含有量1.0mg
  • びんながまぐろ(切り身、生):含有量0.94mg
  • くろまぐろ(赤身、生):含有量0.85mg
  • くろまぐろ(脂身[とろ]、生):含有量0.82mg
  • めじまぐろ(生):含有量0.73mg
  • きはだまぐろ(生):含有量0.64mg

まぐろの詳細はこちら

牛レバー

部位/形態:肝臓、生
ビタミンB6の含有量:0.89mg

牛レバーだけだと157g程度で必要摂取量になります。牛レバーが好きな人には簡単に食べられる量ですね。

牛レバーの詳細はこちら

かつお(鰹)

部位/形態:生
ビタミンB6の含有量:0.76mg

みなみまぐろだけだと184g程度食べる必要があります。かつおならそれほどお金がかからず楽に食べられますね。尚、初ガツオ(初鰹)でも戻りガツオ(戻り鰹)でもビタミンB6の量は同じです。

かつお詳細はこちら

しちめんちょう(七面鳥)

部位/形態:肉(皮なし)、生
ビタミンB6の含有量:0.72mg

しちめんちょうだけだと194g程度食べる必要があります。日本で七面鳥を食べるのは難しいですね。。

七面鳥の詳細はこちら

うるめいわし

部位/形態:丸干し
ビタミンB6の含有量:0.69mg

うるめいわしだけだと203g程度食べる必要があります。うるめいわしだけというのはちょっと厳しいですね。

尚、生のうるめいわしのビタミンB6含有量は0.55mgです。

うるめいわしの詳細はこちら

真イワシ

部位/形態:丸干し
ビタミンB6の含有量:0.68mg

真イワシだけだと206g程度食べる必要があります。生の真イワシの場合は0.54mgほどビタミンB6が含まれています。

いわしの詳細はこちら

とり肉(若鶏肉)

部位/形態:むね(皮なし)、焼き
ビタミンB6の含有量:0.66mg

とり肉(若鶏肉)だけだと212g程度食べる必要があります。意識してビタミンB6を摂るなら、恐らくとり肉が一番食べやすくお金もかからないでしょう。

尚、とり肉は他にもビタミンB6を多く含む食品が多くあります。

  • とりにく(成鶏肉[ささみ]、生):含有量0.66mg
  • とりにく(レバー、生):含有量0.65mg
  • とりにく(ひき肉、焼き):含有量0.61mg

とり肉の詳細はこちら

ごまさば

部位/形態:生
ビタミンB6の含有量:0.65mg

ごまさばだけだと215g程度食べる必要があります。この「ごまさば」は福岡の郷土料理「胡麻鯖」ではなく魚の種類です。

ごまさばの詳細はこちら

キジ

部位/形態:肉(皮なし)、生
ビタミンB6の含有量:0.65mg

キジだけだと215g程度食べる必要があります。キジをビタミンB6のためだけに食べるのはちょっと難しいですね。

キジの詳細はこちら

白鮭(しろざけ)

部位/形態:生
ビタミンB6の含有量:0.64mg

キジだけだと219g程度食べる必要があります。ちなみに国産の鮭はだいたい白鮭です。

白鮭の詳細はこちら

その他

比較的ビタミンB6の含有量が多く、食べやすい食品をいくつか紹介します。

  • さば(真鯖)/生:0.59mg
  • かたくちいわし/生:0.58mg
  • 真鯛/刺身:0.56mg
  • サンマ/開き干し:0.54mg
  • 牛肉/もも・焼き:0.53mg

ビタミンB6と一緒に摂った方がよい栄養素

ビタミンB6は以下に紹介する栄養素があると効能が高まることがあります。また、逆にその栄養素が無いと十分な働きができない場合があります。

ビタミンB2

ビタミンB2はビタミンB6にとって非常に重要で密接な関係を持つビタミンです。

ビタミンB6はビタミンB2があってはじめて体内で様々な働きができるようになります。つまりビタミンB2が無ければビタミンB6をいくら摂っても意味がないのです。

また、ビタミンB2は脂質やたんぱく質の代謝に関わったり、美肌・肌荒れ改善、動脈硬化予防などビタミンB6の持つ効果を高める効能もあります。

ビタミンB2の詳細はこちら

ビタミンB12、葉酸

ビタミンB6が持つ動脈硬化予防効果とは血中ホモシステインを産生させないことにありますが、ビタミンB12と葉酸が不足しても血中ホモシステインが増加します。

つまり、血中ホモシステインを増加させないためにはビタミンB6、ビタミンB12、葉酸の3つを十分に摂る必要があります。

ビタミンB12の詳細はこちら
葉酸の詳細はこちら

トリプトファン、ナイアシン、マグネシウム

この3つの栄養素とビタミンB6は神経伝達物質の中でも精神安定等に必要なセロトニンを合成するのに必要です。

一つでも欠けるとセロトニンが十分に産生されないので、それぞれ十分な量を摂取する必要があります。

トリプトファンの詳細はこちら
ナイアシンの詳細はこちら
マグネシウムの詳細はこちら

ニッケル

ニッケルはビタミンB6と共にたんぱく質や脂質の代謝を行います。

ニッケルの詳細はこちら

ビタミンB6の危険性・注意点・副作用

ビタミンB6を摂る際に気をつける点がいくつかあります。

欠乏症(ビタミンB6の不足)

ビタミンB6は様々な食べ物に含まれる上、腸内でも合成できるので通常は不足することはありませんが、前述の「特にビタミンB6が必要な人・不足しやすい人」でご紹介した場合などは欠乏症が起こることがあります。

ビタミンB6が不足すると様々な症状の原因となりますが、代表的なものは次のような症状です。

肌荒れ

たんぱく質や脂質の代謝が滞るために肌の新陳代謝が悪くなります。脂っぽい脂性肌になりテカりはあるのにツヤがなくなってきます。

皮膚炎

肌荒れが悪化すると皮膚炎になります。特に湿疹や唇が腫れる口唇炎を発症しやすくなります。

髪の毛の傷み

たんぱく質や脂質の代謝が滞るために髪の毛のツヤやコシがなくなってきます。

免疫力の低下

ビタミンB6は抗体の産生に関係しているので、不足すると免疫力が低下します。

アレルギー症状

明確な因果関係は明らかにされていませんが、ビタミンB6が不足すると免疫力が低下することからアレルギー症状が発症しやすくなると考えられています。

口内炎・口角炎

ビタミンB6が不足によるすると免疫力が低下するため、細菌やウィルスの影響を受けやすい口内に炎症が起きやすくなります。

貧血

ビタミンB6不足はヘモグロビン不足につながるので貧血を起こしやすくなります。ビタミンB6不足による貧血の多くは小球性低色素性貧血もしくは鉄芽球性貧血と言われるものです。

脂肪肝

ビタミンB6不足により脂質の代謝が滞ると肝臓に脂肪が溜まりやすくなり脂肪肝のリスクが高まります。

動脈硬化

ビタミンB6不足は動脈硬化の危険因子である血中ホモシステインを増加させます。

舌炎

舌炎とは炎症を起こして舌に腫れや痛みが生じる病気です。舌炎の殆どの原因はビタミンB2不足ですが、ビタミンB6が不足しても発症することがあります。

抑うつ

ビタミンB6は神経伝達物質の合成に関係しているので不足すると精神状態に影響することがあります。

こむら返り(足がつる)

ビタミンB6不足はいくつかの神経障害を起こしますが、その内の一つがこむら返り(足がつる)の症状です。

手足の痺れ(しびれ)

こむら返り同様にビタミンB6不足による神経障害の一つです。ビタミンB6による神経障害は他にも立ちくらみ、発汗異常などの症状が出ることがあります。

痙攣(けいれん)

ビタミンB6不足による神経障害の一つですが、主に乳幼児の場合によるものです。大人の場合は稀です。

過剰症(ビタミンB6の摂り過ぎ)

ビタミンB6は体内に蓄積できないので食事だけで摂り過ぎになることはなく、過剰症の心配はありません。

しかし、薬剤やサプリメントでビタミンB6を摂る場合は過剰症のリスクが発生するので注意が必要です。

ビタミンB6を摂り過ぎると次のような症状が出ることがあります。

  • 手足のしびれ・痛み(末梢感覚神経障害)
  • 知覚異常
  • 筋力の低下
  • 精子数の減少
  • 精巣萎縮
  • 光過敏症
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 腹痛
  • 食欲不振
  • 頭痛
  • 錯感覚
  • 眠気
  • 血中AST (GOT)の上昇
  • グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミラーゼ (SGOT) の上昇
  • 血中の葉酸濃度減少
  • 皮膚反応
  • アレルギー反応
  • 乳房の痛み
  • 乳房の膨張感

過剰症の範囲

ビタミンB6の過剰症は200mg以上/1日の量で発症することが多いようです。

ただし、厚生労働省による「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では以下の量を耐容上限量と定めているので、これ以上はビタミンB6の摂り過ぎで過剰症に注意する必要があるということでしょう。

ビタミンB6摂取量の耐容上限量

※1日あたりの必要摂取量
※食事性ビタミンB6の量でなくピリドキシンとしての量

1~2(歳)
男性:10mg/女性:10mg
3~5(歳)
男性:15mg/女性:15mg
6~7(歳)
男性:20mg/女性:20mg
8~9(歳)
男性:25mg/女性:25mg
10~11(歳)
男性:30mg/女性:30mg
12~14(歳)
男性:40mg/女性:40mg
15~17(歳)
男性:50mg/女性:45mg
18~29(歳)
男性:55mg/女性:45mg
30~49(歳)
男性:60mg/女性:45mg
50~69(歳)
男性:55mg/女性:45mg
70以上(歳)
男性:50mg/女性:40mg

サプリメントや薬剤などの利用を気をつけるべき人

ビタミンB6の摂り過ぎはあまり心配する必要がありませんが、サプリメントや薬剤でビタミンB6を摂取する場合、次の人は注意する必要がありますので医師に相談してから利用しましょう。

妊娠中・授乳中の女性

妊娠中や授乳中はビタミンB6は通常より多めに必要な上、経口摂取であれば多少多めに摂っても危険性は少ないと言われています。

しかし、ビタミンB6の薬剤投与が先天性欠損症の原因となった可能性があるという報告もあるので必ず医師に相談から利用してください。

乳幼児・子供

乳幼児・子供に対してもビタミンB6に対する危険性は殆ど報告されていませんが、安全性を明示する報告も無いので、利用する場合は医師への相談が必要です。

薬を飲んでいる人

現在、なんらかの病気を患っていて薬を飲んでいる方にはビタミンB6の薬剤やサプリメントの投与が病気の悪化や別の症状の発症、薬の効果を弱めるなどの危険性があります。

ビタミンB6の場合はそう言った報告もあまり無いのですが、薬を飲んでいる方は必ず医師に相談してからサプリメントなどを利用するようにしましょう。

ビタミンB6の効果があると思われるもの

ビタミンB6には以下のような効果・効能が期待できます。

■ビタミンB6が含まれる食品例

ビタミンB6が含まれる食品には以下のようなものがあります。

■ビタミンB6についてもっと調べる
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