ヤツメウナギ(八目鰻)
ヤツメウナギ(八目鰻)【概要】
ヤツメウナギ(八目鰻)は総称で、一般にはカワヤツメ(川八目)を指します。ヤツメウナギ(八目鰻)はウナギやほかの魚類とも異なる円口類です。ヤツメウナギ(八目鰻)はあごがなく口が吸盤状で、骨はすべて軟骨です。ヤツメウナギ(八目鰻)は現存する脊椎動物のうち最も原始的で、古生代の生物の生きた化石として貴重な存在とされます。
ヤツメウナギ(八目鰻)は主に熱帯から寒帯の河川に棲みます。両側の目の後ろに外鰓孔(がいさいこう)というえら穴が7つずつ並んでいるのがヤツメウナギ(八目鰻)の特徴です。ヤツメウナギ(八目鰻)という名前は目が8つずつあるように見え、ウナギに似ているからきています。ヤツメウナギ(八目鰻)はうなぎと同様、うろこと腹びれがなく、うなぎには胸びれもありません。
ヤツメウナギ(八目鰻)は昔から夜盲症や脚気の薬として用いられてきたように、皮膚や粘膜を守るビタミンAの含有量は水産物のなかで2位です。アンコウの肝には及びませんが養殖ウナギの3倍以上もあります。ヤツメウナギ(八目鰻)には過酸化脂質の生成を防ぐビタミンEも豊富に含有しています。その他ヤツメウナギ(八目鰻)には脂質やコレステロールも多いが、コレステロール値を下げる作用のあるIPAとDHAも豊富に含んでいます。
ヤツメウナギ(八目鰻)の主な栄養素(可食部100g当たり/生)
・たんぱく質・・・15.8g
・脂質・・・21.8g
・ビタミンA・・・8200μg
・ビタミンD・・・3μg
・ビタミンE・・・3.8mg
エネルギー:273kcal(100g当たり)
ヤツメウナギ(八目鰻)の主な生理機能成分(推定機能)
●レチノール(網膜光感受性維持)
ビタミンAの化学名。網膜のたんぱく質オプシンと結合してロドプシンとなる。ロドプシンは目の網膜にあって、光に感応する性質がある。レチノールが不足するとロドプシンのレベルが下がり、弱い光に感応しなくなり、夜盲症になる。一方、レチノールは、細胞の分化機能に関与する因子であり、皮膚や粘膜、胃腸、気管支の表皮の形成・維持に不可欠。さらに、正常細胞のガン細胞への変異抑制、免疫力の維持・強化が注目されている。
ヤツメウナギ(八目鰻)の期待される働き
視力維持 視力回復 皮膚・粘膜の保護 動脈硬化予防 脳機能維持改善 高血圧予防 免疫力強化 ガン(癌)抑制
ヤツメウナギ(八目鰻)の種類と仲間
●カワヤツメ(川八目)
カワヤツメ(川八目)は全長約50~60cm。カワヤツメ(川八目)は茨城県以北の太平洋および島根県以北の日本海に分布しています。海外でカワヤツメ(川八目)はスカンジナビア半島、朝鮮半島、アラスカなどに生息しています。カワヤツメ(川八目)は体は細長く、背側は暗青色で腹側は白、目が大きいのが特徴です。蒲焼き、干物、燻製、素焼き、椀種などに使われます。カワヤツメ(川八目)の干物は古くから漢方薬にも利用されてきた。
●スナヤツメ
スナヤツメは全長約15~20cm。スナヤツメは日本各地と朝鮮半島などの川に生息しています。スナヤツメは一生を淡水域で過ごします。スナヤツメはカワヤツメ(川八目)に似るが、カワヤツメ(川八目)よりも小型で目も小さい。体色は変化に富み、青みの強いものや黄金色など。スナヤツメの寿命は短く、5~6月の産卵期を過ぎると一生を終えます。
●ミツバヤツメ、シベリアヤツメなど。
ヤツメウナギ(八目鰻)に含まれる健康成分
ヤツメウナギ(八目鰻)に含まれる健康成分には以下のようなものがあります。