レクチン
レクチン【概要】
- レクチンは糖にくっつき、結合しあい、沈殿させる作用がある。
- レクチンは赤血球の凝集効果、免疫力の活性化、神経伝達などの効果がある。
- レクチンは体外から取り入れた場合、毒にもなる。
レクチンとは体内にある糖にくっつく特性のあるたんぱく質のことで、レクチンには様々な種類があります。人間のからだは多くの細胞によって構成されていますが、これらの細胞を包んでいる細胞膜の表面には、糖タンパク質や糖脂質があります。これは結合に糖を含むタンパク質や脂質、つまり糖の複合体ですが、レクチンはそれと特異的に結びつくことができ、この細胞を活性化させます。
つまりレクチンは糖の複合体に作用してそれを凝集、沈殿させる活性をもっているわけです。その結果、有害な細菌などの微生物にダメージを与え、体内で増殖するのを防ぎます。
レクチンには赤血球を固まらせる作用があることから、植物以外のものからも同様の物質が発見される以前は、植物性赤血球凝集素と呼ばれていました。
レクチンは豆類や一部の野菜に多く含まれています。幅広い材料からレクチンを見つけようと研究が重ねられた結果、ほかにも細菌、カビ、軟体動物、魚介類の血清、哺乳類の組織などからレクチンに似た物質が発見されています。
レクチンの効能・効果
レクチンには免疫力強化という効能・効果があります。そのメカニズムはレクチンの免疫系を増強、活性化する作用にあります。近年は、この免疫活性化作用によって、ある種のレクチンはがん細胞の増殖を抑制できることも明らかにされました。
レクチンと似たようなはたらきをするものに、免疫によってつくられた抗体があります。しかし抗体の場合は、凝集や沈殿させる対象が、外部から侵入してくる細菌などの抗原であるところに違いがあります。レクチンの作用を受けた細胞は、種々の可溶性物質をつくり出したり、細胞を分化させる、免疫グロブリンをつくる、などの方法で免疫の機能を高めます。
レクチンの注意点・副作用
体内に存在しない、植物由来などのレクチンが消化されずに体内に取り込まれた場合、体内にある色々な糖と結合してしまい、多くの場合は"毒"として作用してしまいます。
豆類にはレクチン類が多く含まれていますが、これを加熱処理せず食べると腸で炎症が起き、嘔吐や下痢などの症状がでることがあります。
レクチン類には猛毒なものもあり、摂取には注意が必要です。レクチンの毒性は熱処理することで活性作用が失われますので、よく火を通してから食しましょう。
レクチンの効果があると思われるもの
レクチンには以下のような効果・効能が期待できます。
■レクチンが含まれる食品例
レクチンが含まれる食品には以下のようなものがあります。