血管強化
血管強化【概要】
- 血管とは動脈、静脈、毛細血管から成り立つ血液を運ぶ管。
- 血管は老化によって固くなり、深刻な病気の要因となる。
- 血管強化には有酸素運動とコラーゲン生成促進が効果的。
血管とは心臓から酸素や栄養分を運ぶ<動脈>と二酸化炭素や老廃物を心臓へ運ぶ<静脈>、及び両方の血管から枝分かれし、実際に組織細胞とやり取りをする<毛細血管>から成り立つ血液を運ぶ管のことです。
健康面で血管のことを語られることは多くありませんが、血管は生活習慣病と関わりの深い組織です。
血管の老化
自覚症状は殆どありませんが、血管も老化します。血管は伸縮性を持つ柔らかい管です。寒い時には縮み、暖かい時には広がります。運動や入浴で体が温まると血行が良くなるのはこのためです。血管が老化するとこの伸縮力が弱くなり、固くなっていきます。
血管が固くなると、血管が<詰まる><破れる>といった症状が起き、脳梗塞や心筋梗塞、くも膜下出血等の致死的な病気の危険性が高まります。
血管が老化する原因には大きく2つあります。
1.血管の弱体化
血管壁は歳をとると弾力性が無くなってきます。その原因は明確にはなっていませんが、血管に必要な成分が減少することに関係していると考えられます。血管に必要な成分とは、血管の弾力性に関係するコラーゲンと血管を柔らかくする作用があるNO(一酸化窒素)です。
2.血中コレステロール
血液中に余分なコレステロールがあると血管壁にプラークという塊が蓄積されていきます。プラークが形成されると血管は弾力性を失います。また血管内が狭くなり、さらに裂けやすくなるため、血栓ができやすく且つ詰まりやすくなります。つまり動脈硬化の状態となります。
血管年齢
血管年齢とはその名の通り、血管の年齢のことです。血管が老化するというのは既述しましたが実年齢に比例して老化するわけではありません。体質や生活習慣によって老化のスピードは変わります。
あくまで目安ですが、血管年齢が実年齢より10歳以上高いと生活習慣病、20歳以上高いと脳梗塞や心筋梗塞のリスクがあると言われます。
血管年齢の測定方法は主に次のようなものがあります。
1.エコー検査
頸動脈にエコーをあてて、視覚的に血管年齢を測定します。
2.脈波検査
心臓から手足までの血流の速度を測定したり、足と腕の血圧比を比較することで血管年齢を測定します。
3.CAVI検査
両腕・両足首の血圧と脈波によって導き出されるCAVI値というもので血管年齢を測定します。
どの検査も5~10分程度で終わる簡単な検査です。現在のところはCAVI検査が一番精密に血管年齢を測定できるようです。
血管を強化する方法
血管強化の方法で一番効果的なのはウォーキングや水泳などの<有酸素運動>です。有酸素運動は善玉コレステロールを増やし、プラーク形成を抑制する効果とNO(一酸化窒素)の分泌を促す効果があります。
その他、血管の弾力性に関係するコラーゲン生成を促進させることも血管の弾力性を高め、血管強化につながります。
血管を強化する成分・食品
血管強化の成分として、まず重要なのがコラーゲンですが、基本的にコラーゲンは体内で生成されるので、その元となるビタミンC、鉄、たんぱく質をしっかり摂ることが必要です。
また、ルチン、ケセルチン、ヘスペリジンなどのビタミンPやそれらを含むフラボノイドはコラーゲン生成に関わるだけでなく、その抗酸化作用からビタミンCの酸化を防ぐため血管強化に有効な成分と言えます。
血管強化に効果があると思われる食品成分
血管強化に効果があると思われる健康成分には以下のようなものがあります。