生活習慣病
生活習慣病【概要】
- 生活習慣病とは生活習慣に起因する病気の総称。
- 生活習慣病は日本国民の死因の約6割を占めている。
- 生活習慣病予防には、まず肥満の予防から。
生活習慣病とは生活習慣が病気の原因になり、その発病や進行に大いに関係している様々な病気をまとめた呼称です。「生活習慣病」という言葉は1996年に厚生省(現・厚生労働省)が公式に使い始めた行政のための用語です。
生活習慣病はかつて成人病と呼ばれていました。しかし成人病という言葉のイメージには「成人になるとかかりやすい病気」「老化現象であり、やむを得ない病気」というイメージがあります。しかし成人病の多くは老化というよりは生活習慣に起因することが多く、また生活習慣を正すことによって予防が可能なため意識的な意味合いも含め「生活習慣病」と呼ぶことになりました。
この背景には生活習慣病が日本人における最大の死因となっているのと、それに伴い生活習慣病にかかる国民医療費が膨大になっており、社会システムにも影響を及ぼしているからです。
三大生活習慣病
生活習慣病は動脈硬化、脳卒中、心臓病、糖尿病、高脂血症、肥満、高血圧、骨粗しょう症、アルコール性肝障害、ガン(癌)などの総称ですが、この中で三大生活習慣病と言われているのは「ガン(癌)」「心臓病(心疾患)」「脳卒中(脳血管疾患)」です。
この三大生活習慣病は日本国民の約6割の死因を占めています。また心臓病や脳卒中に繋がる病気として糖尿病や高血圧、高脂血症も非常に多くの人が発症しており、社会的な問題となっています。
生活習慣病の原因
生活習慣病の原因は様々なものがありますが、主なものとして次のものがあげられます。
1.運動不足
交通機関が発達した結果、人々は以前のように歩かなくなりました。また、建物の中でも、1階か2階上下するだけでも、エレベーターやエスカレーターを使う人が多くなりました。要するに運動不足になったのです。
2.贅沢な食生活
戦後日本の経済が復興するにつれ、食事の内容が贅沢になり、栄養過多になりました。運動不足とあいまって肥満の原因になっています。
3.ストレス
いろいろな情報が瞬時に世界中をかけ巡るようになり、社会、経済の動きも複雑かつ速くなりました。ゆっくり人間関係を作り上げる暇もないためストレスも増えています。
現在の私たちの生活様式そのものが生活習慣病を作り、またその予防を難しくしているのです。
また、脳卒中や心筋梗塞で倒れ、不幸にして死亡しても、その直前までとくに異常な症状がないことはしばしばです。生活習慣病は発病するまで症状がないことが多く、それが予防を難しくしています。
生活習慣病の予防
生活習慣病を予防するには、基本的に喫煙、飲酒を含めた食事に関する習慣、運動および睡眠に関する習慣を正しくすることが大事です。それによって適切な睡眠時間を確保し、適正な体重を維持することができます。このことをしっかり認識することが大切です。
1972年にアメリカのブレスローらが、次の生活習慣の内で、実行している項目数の多い人のほうが健康であると報告しています。
- 適正な睡眠
- 禁煙
- 適正体重の維持
- 適正な飲酒
- 運動
- 毎日朝食を摂る
- 間食しない
もちろん7項目をすべてしっかり実行していても病気になる人はいます。しかしよい生活習慣を身につけることにより、より長く健康で活動的に生きることができるのです。
生活習慣病を予防する食生活
生活習慣病を予防するためにまず必要なことは肥満の予防です。肥満を予防するには適切なカロリー摂取量を把握することが必要です。適切なカロリー摂取量は性別や年齢、生活環境によって違いますが、厚生労働省によると以下の計算式で目安が分かります。
●適切なカロリー摂取量
身長(m)×身長(m)×22×25~35
例)身長159cmの人の場合
1.59×1.59×22×25~35=1390~1947
1390~1947kcal が適切なカロリー摂取量
25~35の係数は日常の運動量に比例します。25の場合は一般事務や子育てをしていない主婦などの活動レベルで、35の場合は農業や建設業など運動量の多い活動レベルが想定されています。
また生活習慣病を予防する食事はカロリーを減らすだけでなく、バランスの良い食事内容にする必要があります。
バランスの良い食事を摂るには、厚生労働省と農林水産省が共同で作成した「食事バランスガイド」が参考になります。
生活習慣病に効果があると思われる食品成分
生活習慣病に効果があると思われる健康成分には以下のようなものがあります。