米
米【概要】
イネの種子部分を籾(もみ)といい、籾からもみ殻や外皮などを取り除いた部分を「米」と呼びます。米の原産地は中国、インド、インドシナなど、諸説があります。米は紀元前3500年頃に栽培が始まり、日本へは縄文時代後期に中国あるいは朝鮮半島から伝えられたという説が有力です。以降、日本人の嗜好に合わせた品種に改良されてきました。
米の主成分は体や脳のエネルギー源として欠かせない炭水化物(糖質)ですが、良質のたんぱく質も含んでいます。米の大きな特徴として高血圧や動脈硬化予防、脂肪肝の防止に働く優れた成分を多く含んでいることが挙げられます。米には味覚を正常に保ち、子供の成長に有効な亜鉛も含んでいます。最近では抗酸化物質のポリフェノールを含む「紫黒米」やギャバ(γ-アミノ酪酸)を多く含む「巨大胚米」、栄養価の高い胚芽を残した「胚芽精米」、米アレルギーの原因となるたんぱく質をとり除いた「低アレルゲン米」などの健康志向米も数多く登場しています。
米の主な栄養素(可食部100g当たり/精白米)
・たんぱく質・・・6.1g(アミノ酸スコア61)
・脂質・・・0.9g
・炭水化物・・・77.1g
・亜鉛・・・1.4mg
・ビタミンB1・・・0.08mg
エネルギー:356kcal(100g当たり)
米の主な生理機能成分(推定機能)
●γ-オリザノール(動脈硬化抑制、不定愁訴改善)
γ-オリザノールは脂質の酸化を抑制しまう。γ-オリザノールはコレステロール値を低下させ、動脈硬化を予防する働きもあります。
●イノシトール(コレステロール値低下、肝硬変抑制)
イノシトールは水溶性ビタミンで、脂肪の代謝を促進する働きがあります。またイノシトールは脂肪肝を防ぐ作用もあります。
●フェルラ酸(血管拡張成分、一酸化窒素合成)
フェルラ酸は脂質の酸化を防止します。
●ギャバ(血圧上昇抑制、脳血流促進)
ギャバはγ-アミノ酪酸の略称です。ギャバは血圧の上昇を抑制します。またギャバはコレステロール値を低下働きもあります。
●食物繊維(整腸、抗ガン、循環器疾患抑制)
腸内善玉菌を活性化。
米の選び方のポイント
粒がそろい、丸くつやのある米が良質とされます。米の品種や生産地を確認して選びましょう。
米の保存方法
米は直射日光を避け涼しい場所で保存しましょう。米の保存は室温15度以下が望ましいとされます。米びつへの継ぎ足しは避け、中を空にしてきれいにしてから新しい米を入れるのが良いです。コクゾウ虫が入ってしまったら米びつから出して日光に当てれば虫は逃げます。
米の期待される働き
整腸 ガン抑制 動脈硬化予防 高血圧予防
米の種類と仲間
●ジャポニカ米(日本型)
ジャポニカ米の粒は丸く短め、水分が多く、でんぷんに含まれるアミロースの量が少ないため、炊くと粘りがでます。日本の米はこれに属します。
●インディカ米(インド型)
インディカ米の粒は細長く楕円形のものもあります。インディカ米は水分が少なくでんぷんに含まれるアミロースの量が多いため、炊くと粘りが少なくかためになります。インディカ米は主に熱帯アジアに分布し、世界の米のうちの約8割を占めています。インディカ米はカレー料理やピラフなど洋風の米料理に用いられます。
●ジャバニカ米(ジャワ型)
ジャバニカ米はジャポニカ米とインディカ米の中間型です。
米に含まれる健康成分
米に含まれる健康成分には以下のようなものがあります。