鶏肉
鶏肉【概要】
鶏肉は古い歴史をもつ食肉です。紀元前3000年頃にはインドで鶏肉用に鶏が飼育されていたという記録が残っています。日本に鶏肉は弥生時代に中国から朝鮮半島を経て伝えられました。その後、鶏は奈良時代から飼育されたが、鶏肉が広く食用となったのは明治以降のことです。
鶏肉はやわらかくて脂質が少ないため消化がよく、消化吸収率は95%と非常に高い食物です。また鶏肉に含まれるたんぱく質には必須アミノ酸がバランスよく含まれるので、幼児や高齢者にもおすすめの食材です。
鶏肉の皮や骨の周りの肉にはコラーゲンが多く、肌の新陳代謝を促進し、体組織を若々しく健やかに保つ効果があります。鶏肉には豊富なビタミンAがあり、皮膚や粘膜を丈夫にし、眼の疲れを癒します。鶏肉にはビタミンB6やナイアシンも多く、これらも粘膜を強化し免疫力を高める働きがあります。鶏肉は他の肉類と異なり脂肪が皮下に集中してつくため、皮をとり除けば脂質やコレステロールをかなり抑えることができます。鶏肉はダイエット中のたんぱく源にも適しています。
[鶏肉の種類と仲間]
●ブロイラー
本来はブロイル(あぶり焼き)用の若鶏の意味ですが、成長を促し大量生産している鶏の総称です。アメリカで白色コーニッシュや白色プリマスロックを改良した品種や、チャンキー、コブなどの品種があります。ブロイラーは肉質がやわらかく淡白なのが特徴です。
●地鶏
○名古屋コーチン
名古屋コーチンは尾張藩ゆかりの地鶏です。中国原産のバフコーチンと尾張藩で飼育していた地鶏を交配した「薄毛」がもとです。
○皮内鶏(ひないどり)
皮内鶏(ひないどり)は秋田県鹿角地方の地鶏です。皮内鶏は天然記念物の指定を受けています。市販の比内地鶏は比内鶏と外国産の鶏を交配したものです。
○薩摩地鶏
薩摩地鶏は九州南部原産の地鶏です。ブロイラーと交配され薩摩地鶏として食用になりました。
●軍鶏(しゃも)
軍鶏(しゃも)はもとはタイから輸入された闘鶏用の鶏です。軍鶏(しゃも)は他の鶏と交配され、東京軍鶏、奥久地軍鶏などが流通しています。
[鶏肉の選び方のポイント]
鶏肉は肉厚でつやがあり、ややかたいくらいの弾力があるものを選ぶといいです。鶏肉の皮は、毛穴が高く盛り上がってちりめん状のシワが入っているものが新鮮です。
[鶏肉の保存方法]
鶏肉は他の肉に比べて鮮度が落ちやすいので、購入後は冷蔵保存し、翌日には使いきるのが良いです。鶏肉を冷凍するなら小分けにし、保存可能期間はおよそ1ヶ月が目安です。
[鶏肉の主な生理機能成分(推定機能)]
●コラーゲン(皮膚機能維持改善)
細胞間を結合させ、皮膚の機能を保ちます。また、カルシウムの骨組織への吸収を促進し、更に血管を強化し免疫力を高め、老化を予防します。眼精疲労改善も期待できます。
●オレイン酸(コレステロール調節)
血中の悪玉コレステロールだけを減らし、善玉コレステロールを増やし、動脈硬化の予防が期待できます。
●リノール酸(コレステロール値低下)
コレステロールを減らしますが、摂り過ぎると血栓、ガンの恐れがでます。
●ヘム鉄(貧血改善)
体内への吸収利用性がきわめて高い鉄化合物です。
[鶏肉の期待される効果・効能]
動脈硬化予防 皮膚機能維持改善 免疫力強化 骨の強化 眼精疲労改善
鶏肉に含まれる健康成分
鶏肉に含まれる健康成分には以下のようなものがあります。