グルテン
グルテン【概要】
- グルテンは小麦粉に含まれるたんぱく質。
- グルテンには小腸を過剰反応させるなど悪影響がある。
- 欧米ではグルテンフリー食品といったものも多くある。
グルテンとは穀類、おもに小麦粉に特有の粘り気のあるタンパク質です。グルテンの粘り気は料理によく利用されます。代表的なのが小麦粉でグルテンを多く含む小麦粉が強力粉、少ないものが薄力粉、その間が中力粉です。
パンやパスタ、ケーキ、お菓子など小麦が色々な料理の原料になり得るのはこのグルテンの粘り気が様々な形状を可能しているからとも言えます。うどんの"コシ"もこのグルテンによるものです。
小麦粉に水を加えてよくこねて、水洗いしてでんぷんを洗い流したかたまりがグルテンで、薄い灰褐色をしており、麸やグルタミン酸の原料になります。
グルテンの効能・効果
グルテンは料理に欠かせない成分ですが、栄養や効能・効果となると文献や情報があまりありません。グルテンの効能・効果はグルテン単体ではなく、グルテンペプチドという形で発揮されるようです。
グルテンペプチドは加水分解してできるペプチドです。グルテンペプチドは鎮痛作用、血圧降下作用、胃液の分泌抑制、食欲増進などの効果・効能があるとされます。グルテンペプチドの効能・効果の詳細はグルテンペプチドの頁を参照ください。
グルテンの副作用・注意点
グルテンには腸内で悪玉菌であるウェルシュ菌を増やす作用があり、消化不良や栄養吸収阻害、便秘、下痢、むくみなど様々な弊害に繋がることがあります。また、グルテン分解酵素を持っていない場合、吐き気や腹痛、湿疹などの症状がでる場合があります。これはアレルギー反応に発展することもあり、その場合は小腸の炎症、栄養失調、骨粗しょう症、腸癌など、ひどい場合は命の危険もあるようです。
こういった症状をグルテンアレルギーやセリアック病といい、小麦を主食とする欧米では100人に1人という割合で発症し、日本でも増えてきているようです。
グルテンフリーとは
近年グルテンフリーもしくはグルテンフリー・ダイエットという言葉をよく耳にするようになりました。グルテンフリー(グルテンフリー・ダイエット)とはグルテンアレルギーやセリアック病の予防・改善のための食事療法のことです。
グルテンフリーとは言葉の通り、グルテンを含む食品を摂らないことですが、グルテンは様々な食品に含まれているため、実際はかなり難しい方法となります。
グルテンフリーはローフードを食事の中心にすることで比較的容易になるようです。また、欧米ではグルテンフリーが一般的になりつつあり、グルテンフリー食品も多く登場しているようです。
グルテンフリーはグルテンアレルギーやセリアック病(及びその予備軍)の人にはかなり効果的で、グルテンフリーを実践することで、カルシウムの吸収率が向上、免疫力強化、大腸がんの予防などが期待できるようです。
しかし、一方、グルテンを含む小麦などはビタミンBや亜鉛、鉄分など有効な栄養成分も多く含まれ、それらの栄養が不足する恐れがあるため一般の人には注意が必要です。
グルテンの効果があると思われるもの
グルテンには以下のような効果・効能が期待できます。
■グルテンが含まれる食品例
グルテンが含まれる食品には以下のようなものがあります。