ずいき(芋茎)
ずいき(芋茎)【概要】
ずいき(芋茎)とはサトイモ類の茎の部分のことです。サトイモ自体は縄文時代から栽培されていたようですが、はじめはずいき(芋茎)の部分は食用とされませんでした。イモガラは日もちがよく、戦国時代の非常食として利用されていたといいます。
ずいき(芋茎)は生のままなら酢のもの、和えもの、蒸しものなどに、干しずいき(芋茎)なら水でもどして煮ものや汁の具などに使います。
干しずいき(芋茎)は、体内の余分な塩分を排出するカリウムの量が100g中10gと全食品の中でトップです。骨や歯を強くするカルシウムはごま(胡麻)と同様に多く、便秘の改善に役立つ食物繊維はラッキョウや切り干しダイコンを上回ります。
ずいき(芋茎)の名は鎌倉時代末から南北朝時代に活躍した臨済宗の僧、夢窓疎石(むそうそせき)が、イモの葉の露を随喜の涙にたとえて詠んだ歌にちなむといいます。その他ずいき(芋茎)の名にはイモの中心(髄)からでた茎という説もあります。「芋柄」とも呼ばれる干しずいき(芋茎)は昔ながらの保存食で、安土・桃山時代の武将、加藤清正は熊本城の壁や畳に籠城の備えとしてイモガラを使わせたといいます。
ずいき(芋茎)の選び方のポイント
生のずいき(芋茎)の場合、皮の表面に湿り気があり、ひび割れなどがないものを選びましょう。赤ずいき(芋茎)、白ずいき(芋茎)は皮が緑色に変色しているものは避けます。土つきのずいき(芋茎)のほうが日もちがよいです。
ずいき(芋茎)の保存方法
ずいき(芋茎)は新聞紙などに包んで風通しのよいところで保存しましょう。ずいき(芋茎)は寒さと乾燥に弱いので冷蔵庫に入れるのは厳禁です。
ずいき(芋茎)の主な栄養素(可食部100g当たり/生ずいき(芋茎)・生)
・カリウム・・・390mg
・カルシウム・・・80mg
・β-カロテン・・・110μg(レチノール当量18μg)
・亜鉛・・・1mg
・ビタミンC・・・5mg
エネルギー:16kcal(100g当たり)
ずいき(芋茎)の主な生理機能成分(推定機能)
●食物繊維(整腸、抗ガン、循環器疾患抑制)
食物繊維はセルロースおよびヘミセルロースの多糖類で、消化酵素によって分解されない成分です。便の量を増やし、腸内環境を整える。腸内菌による食物繊維分解物が腸を刺激し、便秘を改善する働きがあります。腸内の善玉菌である乳酸菌の増殖を活性化することで、発ガン物質などの有害物を生み出す悪玉菌の勢力を弱めます。コレステロールや有害物の排出を促し、糖尿病などの生活習慣病、動脈硬化、ガン予防などにも効果的です。
ずいき(芋茎)の期待される効果・効能
高血圧予防 便秘改善 骨の強化 味覚機能維持改善
ずいき(芋茎)の種類と仲間
●赤ずいき(赤芋茎)
トウノイモ、アカメなどの葉柄。一般にずいき(芋茎)といえばこの品種を指します。表皮は赤く、えぐみが少ない。
●白ずいき(白芋茎)
白だつともいいます。軟白栽培したもので、表皮が白い。ヤツガシラや、ずいき(芋茎)専用種のハスイモなどがあります。表皮は淡緑色で、えぐみはあまりありません。
ずいき(芋茎)に含まれる健康成分
ずいき(芋茎)に含まれる健康成分には以下のようなものがあります。