コリン
コリン【概要】
- コリンは神経伝達物質の材料となる栄養素。
- コリンはコレステロール抑制、高血圧、喘息などに効果的。
- コリンのアルツハイマー病への効果はまだ不明な点が多い。
コリンは脂肪肝を防ぐ作用があることから発見された水溶性の栄養素です。コリンは必須栄養素とされていますが、欠乏症の恐れがないためにビタミンではなく、ビタミン様作用物質とされています。
コリンは体内で合成されますが、食事からの十分な供給が必要です。とは言え、たんぱく質が多い食べものを摂っていれば、まず不足することはないと言われています。尚、コリンの推奨摂取量は一日500~2000mgです。
コリンの効能・効果
コリンは、血管を拡張させて血圧を下げるアセチルコリンという神経伝達物質の材料になっています。充分なコリンがあれば、高血圧の予防になります。
また、コリンは細胞膜を構成するレシチンの材料になります。レシチンは血管壁へのコレステロールの沈着を防ぐコレステロール抑制作用、そのほか肝臓に脂肪がたまらないように働きがありますから、肝硬変や動脈硬化の予防になります。
さらにコリンは神経細胞を形成する成分でもあるため、様々な脳機能を維持するのにも必要な栄養素です。そのため、コリンは記憶力向上などにも効果的と考えられています。アルツハイマー症の患者の多くは、コリンが不足しているという報告があり、コリンの十分な摂取により症状が改善したという例もあります。
しかし、その一方、コリンの経口摂取は記憶喪失、アルツハイマー病、認知症に効果的でないという報告もあります。
その他、コリンが気管支喘息の改善に有効との報告もあります。
コリンの副作用・注意点
コリンの適切な範囲においては危険性はありません。コリンの過剰摂取に関しては1~8歳で1g/日以上、9~13歳で2g/日以上、14~18歳で3g/日、18以上で3.5g/日以上摂取すると副作用のリスクが高まると考えられています。
コリンの副作用としては「体臭が魚臭くなる」ほか、下痢、嘔吐など胃腸の不調が知られています。
コリンの効果があると思われるもの
コリンには以下のような効果・効能が期待できます。
■コリンが含まれる食品例
コリンが含まれる食品には以下のようなものがあります。