カゼイン
カゼイン【概要】
- カゼインは主に乳製品に含まれる栄養価が高いたんぱく質。
- カゼインはカルシウムや鉄などミネラルの吸収を促進させる。
- カゼインは代表的なアレルギー源でもある。
カゼインは牛乳やチーズ、ヨーグルトなど主に乳製品に含まれるたんぱく質です。牛乳のタンパク質は非常に栄養価が高く良質ですが、その75~85%を占めるのがカゼインです。カゼインは単一の物質ではなく、大きく分けてαカゼイン・βカゼイン・κカゼインの3種のカゼインの複合体となっています。
カゼインは牛乳アレルギーの因子としても知られていますが、その原因はαカゼインにあると言われています。ちなみにカゼインは母乳にも含まれていますが、母乳のカゼインにはαカゼインが非常に少ないことが知られています。
カゼインの効能・効果
カゼインは栄養成分の中でも代表的なたんぱく質であり、BCAA(分岐鎖アミノ酸)と言われるロイシン・イソロイシン・バリンを多く含んでいます。つまりカゼインは筋肉強化や維持、改善、筋肉疲労などに効果的と言えます。
またカゼインが分解されるといくつかのペプチド(アミノ酸の大きな集合体であるタンパク質が分解されてできる、アミノ酸の小規模な集合体)ができ、さまざまな効能・効果を生じさせます。
カゼイン由来のペプチド、CPP(カゼインホスホペプチド)はカルシウムや鉄などミネラル類の吸収率を高める作用があります。
カゼイン由来のペプチド、β-カゾモルフィンは鎮痛効果をもつペプチドですが、その他にも精神安定、免疫力強化、インスリンを増加させ血糖値の上昇を防ぐ、腸からの栄養吸収を高めるなど様々な効果・効能が期待できます。
さらにカゼインには蠕動運動を抑制する作用があります。この作用で食べ物が腸での滞在時間が長くなり、栄養素の消化吸収がよくなるため、やせた人の栄養摂取に効果的と言われます。
カゼインの副作用・注意点
カゼインは非常に栄養価が高いたんぱく質である一方、グルテンと並び代表的なアレルギー源でもあります。
カゼインは強力な粘着性をもっており、消化器官でうまく分解できないこと(体質)があります。その場合は腸壁にへばりつき栄養の吸収を阻害したり、不完全な分解のまま体内に取り込まれてしまう場合があります。
カゼインがうまく分解されないまま体内に入り込まれると異物として認識され、免疫反応から種々のアレルギー反応を起こしたり、脳内においてオピオイド受容体に結合し、眠気や不快感などの神経作用を及ぼすことがあるようです。幼児に至っては自閉症や発達障害などの要因になることもあるようです。
また、語られることは少ないですが、カゼインの効能・効果として蠕動運動抑制というものがありますが、これは栄養吸収に効果的な反面、便秘には悪影響を及ぼす作用だと思われます。
カゼインの効果があると思われるもの
カゼインには以下のような効果・効能が期待できます。
■カゼインが含まれる食品例
カゼインが含まれる食品には以下のようなものがあります。