胃腸病
胃腸病【概要】
- 胃腸病は全ての病気の要因になる可能性がある。
- 胃腸病の原因は自律神経の失調、暴飲暴食、ピロリ菌など。
- 胃腸機能の低下は免疫力の低下や肌荒れ・ニキビを引き起こす。
胃腸病とは胃と腸の病気のことですが、いわゆる「お腹の病気」と言い換えることができるかと思います。
当然、胃と腸は別の臓器で、病気の症状も厳密には別々です。しかしながら「胃腸薬」や「胃腸科」など医療面ではしばしば一括りにされることが多くあります。これは胃と腸が同じ消化器官ということもありますが、病気の症状や原因が似通っているせいでもあります。
しかし病気によっては症状が同じでも胃と腸では治療の方法が異なり、それを間違えると全く効果が無いので注意が必要です。
胃腸の役割
私達が食べる食物は胃と腸によって全て消化されます。そしてその栄養分も全て胃と腸によって体内に取り込まれます。
つまり胃と腸の働きは直接的に健康に関わってきます。胃と腸の働きは栄養吸収は勿論、免疫力やアレルギー、肌荒れ、にきびや便秘などにも大きく関係しています。
胃腸病による主な症状
次のような症状がでた場合は胃腸病を疑います。
・腹痛
・食欲不振
・吐き気・嘔吐
・胸焼け
・げっぷ
・便秘
・下痢
・口臭
・口内炎
・血便
・吐血
主な胃腸病
胃と腸に共通する病気に次のようなものがあります。勿論、これらの病気は大まかに分類したもので実際には更に細分化され、同じ分類でも症状・原因が異なることがあります。
・胃炎・腸炎
・胃潰瘍・十二指腸潰瘍
・胃ポリープ・大腸ポリープ
・胃がん・大腸がん
・感染症(細菌・ウィルス・寄生虫等)
胃腸病の原因
胃腸病には様々な種類があり、当然様々な原因がありますが、幾つかの傾向があります。それは次のようなものです。
自律神経の失調
胃と腸は自分で働かそうと思って動く器官ではありません。胃と腸の働きは自律神経によってコントロールされています。自律神経が狂うと消化液によって自分の胃や腸を傷つけたり、食べたものをスムーズに送り出せなくなって腐敗させたりすることで様々な病気を引き起こします。
自律神経の失調はストレスなどの精神的なもの、そして睡眠不足など生活習慣の乱れなどが原因になります。ストレスを感じるとお腹が痛くなるのはこのせいです。
暴飲暴食・刺激物の過剰摂取
胃や腸は食べものが口から入る限り常に活動する臓器です。消化活動にかかる時間は実に8~12時間と言われます。人間が消費するエネルギーの内70%は消化活動と言われるほどです。
暴飲暴食をすると胃や腸は絶えず活動し、休む暇がなくなります。また刺激物は胃腸を攻撃し損傷させます。このような状態が続くと胃や腸が弱り、病気へと進行していくのです。
ピロリ菌
心身ともに健康な生活を送っていても胃腸病になる場合があります。それはヘリコバクター・ピロリ菌の感染です。胃潰瘍や十二指腸潰瘍の殆どはピロリ菌が原因と言われています。そればかりか、胃炎や胃がんの原因にもなることがあります。
ピロリ菌の感染源は明らかになっていませんが、不衛生な環境ほど感染しやすいと言われます。世界人口の約半数がピロリ菌に感染していると言われるので、ピロリ菌の感染が即、胃腸病につながるわけではありませんのであまり神経質になる必要はありません。気になる方は保険診療対象にもなっている除菌療法もありますので病院で相談してみてください。
胃腸機能の低下がもたらす間接的な病気・症状
前述した通り、胃腸は食べ物の消化そして栄養分の吸収という生命活動における根本的な役割を担っています。そのため乱暴な言い方をすれば、胃腸の異常は全ての病気の要因に成り得ると言えます。
その中でも顕著な症状として現れるのが次の病気・症状です。
肝機能の低下
胃腸機能が低下している場合、本来、消化され殺菌・排出されるはずの有害物質や細菌が体内に滞留、もしくは取り込まれるようになります。肝臓には解毒作用がありますが、胃腸で処理されるべき有害物質を肝臓で処理しなければいけないため、肝臓の負担が増大し肝機能が低下します。
免疫力の低下
胃腸で処理されない有害物質や細菌が体内に滞留、もしくは取り込まれるようになることで体内にその有害物質や細菌が送り出されることになります。またそれを防ぐ肝機能も低下するため体全体の免疫力が低下します。
風邪
胃腸機能の低下により、免疫力が低下し抵抗力が無くなります。そうなるとウィルスなどに感染しやすくなり風邪など病気になりやすくなります。
無気力症
胃腸機能が低下すると栄養成分の吸収率も低下し、必要な栄養素を補えなくなります。これは肉体的な栄養素も摂れなくなるばかりか、脳に必要な栄養成分も不足しがちになり心身ともに無気力になる危険性があります。ひどい場合はうつ病などにも発展することがあるので注意が必要です。
アレルギー疾患
胃腸機能が低下すると食べ物の消化が十分に行われないまま体内に吸収されることになります。そうなると通常の成分と違うものが体内に入ってくるため免疫系統が過剰反応することがあります。それがアレルギーとなって体に現れます。
肌荒れ
胃腸機能が低下すると肌荒れの要因が沢山発生します。一つは免疫力の低下です。肌が接する外部の細菌や有害物質を防御しきれなくなります。逆に内部からは胃腸で排出されなかった有害物質が皮膚から排出されます。内外共に有害物質にさらされた肌は当然肌荒れしやすくなります。
次に肌に必要な栄養成分が不足します。特にビタミンB群、ビタミンAが不足すると直接的な肌荒れの原因になります。その他、胃腸機能の低下は血行不良や代謝機能の低下など間接的に多くの肌荒れ要因を引き起こします。
ニキビ
肌荒れとほぼ同様の理由で胃腸機能の低下がニキビの原因となりますが、体内の有害物質が毛穴から排出されることや、皮脂分泌の調整に重要なビタミンB群が不足することで肌荒れの中でも胃腸機能の低下とニキビは密接な関係があると言えます。
口臭
胃腸機能が低下すると本来排出されるべき消化物が胃腸に留まり、腐敗や発酵していくことがあります。その時に発生する悪臭が口臭として口から出ることがあります。
便秘・下痢
便秘や下痢は胃腸病の一つとも言えますが、厳密には病気ではありません(病気による便秘や下痢もあります)。胃腸機能が低下すると消化や蠕動運動がうまく行われないことにより便秘や下痢になります。
胃腸病に効果があると思われる食品成分
胃腸病に効果があると思われる健康成分には以下のようなものがあります。