肝機能(肝臓)
肝機能(肝臓)【概要】
「肝心要」という言葉があるように肝臓は人間にとって非常に大切な臓器です。私たちが毎日取り入れている食べ物の栄養は「胃」や「腸」で有用な形になると思われがちですが、そこは食べ物を消化、吸収するだけで実際に栄養を有効な形に変換・合成するのは肝臓なのです。
肝臓の主な働き
肝臓の主な働きは3つあります。
●食べ物から吸収したものを、体にとって必要なものと不要なものに仕分ける。
●必要な栄養素を体が使いやすい形に変換・合成する。
●体内に入った有害物質や体内でできた廃棄物を分解・解毒する。
肝臓で変換・合成される栄養素
●たんぱく質
たんぱく質は、小腸でアミノ酸に分解されて肝臓に運ばれてきます。細かく分解されたアミノ酸は、体内で利用されやすいたんぱく質に再合成されます。それらが肝臓から全身に送り込まれ、筋肉、皮膚、髪、骨などの材料になります。摂り過ぎたたんぱく質は肝臓内に貯蔵されます。
●炭水化物
炭水化物は、小腸で消化されて乳糖や果糖、ブドウ糖に変わって運ばれてきます。肝臓は、乳糖や果糖をまとめてブドウ糖に統一して、全身にある約60兆個もの細胞のエネルギー源として供給します。この時余ったブドウ糖はグリコーゲンという物質に変えられ、肝臓に貯蔵されます。
●脂肪
脂肪は、小腸でグリセリンと脂肪酸に分解されて吸収された後、再度脂肪に合成されて肝臓へ運ばれてきます。これが肝細胞でコレステロールを作る原料となります。コレステロールは悪役に見られがちですが、全身の細胞膜や、体の機能を正常に保つホルモン、脂質の消化吸収に必要な胆汁酸などの原料として不可欠です。
●ビタミン
ビタミン類も肝臓に一旦貯蔵されます。ビタミンB1はコカルボキシラーゼに変換されるなど、体内で利用しやすい形に作りかえられます。
肝臓で分解・解毒されるもの
●有害な物質
アルコールが分解される時に発生するアセトアルデヒド、たんぱく質が分解される時にできるアンモニアなどは、体に有害な物質です。これらは肝臓で分解され、無毒化されます。そして尿や便などで体外に排出されます。
●体内の廃棄物
古くなった赤血球の中のヘモグロビンは、肝臓で分解されてビリルビンという物質に変換されます。腸に送られ便とともに排出されます。便の色が茶色いのは、本来赤い血液の成分だったヘモグロビンが、ビリルビンに変換されて茶色くなり便に混ざっている証です。その為、便の色を見れば肝臓がしっかり機能しているか判断できます。
肝臓の働きを助ける食品・成分
肝臓の働きである「栄養素の変換・合成」や「不要なものの分解・解毒」をスムーズにするための食品や成分には以下のようなものがあります。
●ウコン(クルクミノイド)
ウコンは肝機能全般をサポートします。
ウコンの有効成分であるクルクミノイドは、肝臓で発生した活性酸素に働きかける抗酸化作用のほか、胆汁の分泌を促して脂肪分の消化を助けます。また解毒酵素の活性を高めたり、アルコールの分解を助けるなど、実に多様な効能があり、それらが複合的に働くことで、肝機能全般を力強くサポートします。また、その香り成分にも注目。セスキテルペン類は、肝臓の炎症を抑えるといわれています。
●牡蠣
牡蠣は胆汁分泌・エネルギー源として肝機能に効果的です。
牡蠣に多く含まれるタウリンは、肝機能を高めて代謝や解毒をサポートするとともに、胆汁の分泌を促進させる成分です。また、肝臓のエネルギー源となるグリコーゲンも豊富に含まれています。
●マリアアザミ(シリマリン)
マリアアザミ(シリマリン)は高い抗酸化作用で酸化防止することで肝機能に効果的です。
マリアアザミ(シリマリン)には肝機能改善の有効性が証明され、ヨーロッパでは医薬品として使用されているハーブです。有効成分シリマリンは、抗酸化力が高く、解毒作用を助けるとともに、肝臓の細胞膜にある脂質が酸化するのを防いでくれます。
●L-システインペプチド
L-システインペプチドは解毒・再生を行う酵素の原料になります。
L-システインペプチドはアミノ酸の一種で、抗酸化物質グルタチオンの原料となる良質なペプチドです。傷ついた肝細胞の再生に欠かせず、また、肝臓で行われる解毒・再生に関わる多くの酵素の原料にもなります。
●亜鉛
亜鉛はアルコール分解に不可欠な成分です。
亜鉛は肝細胞の再生を促し、脂質の過酸化を抑える働きがあるミネラル。アルコール分解酵素の必須成分なので、お酒をよく飲む方は意識して摂取を心がけたいものです。
●セレン
セレンは抗酸化作用をもつ必須ミネラルです。
セレンは抗酸化作用があることから、肝臓の働きを助けるミネラルのひとつとして期待されています。
肝機能(肝臓)に効果があると思われる食品成分
肝機能(肝臓)に効果があると思われる健康成分には以下のようなものがあります。
