菊(食用菊)
菊(食用菊)【概要】
- 菊(食用菊)はかつて不老長寿の薬草と言われていた。
- 菊(食用菊)グルタチオンの生成を促進し、肝機能の高める。
- 菊花は目の薬として漢方薬に用いられている。
菊は、日本人にとって最もなじみ深い花の一つです。食べることを目的として栽培された食用菊は、苦み、香りがきつくなく、色、歯さわりのよさが身上で、刺し身のつまや料理の彩りに欠かせません。
食用菊は食菊、料理菊、甘菊などとも言われます。菊は天皇家の家紋であることから食用菊を「もってのほか」と呼ばれることもあります。
現在栽培されている食用菊の種類は、50種以上といわれます。代表的な品種には青森の阿房宮、紫花の延命楽などがあります。
かつて菊は中国で不老長寿の薬草といわれ、中国古典医薬品集「神農本草経」にもその名が見られます。食用菊の頭状花を乾燥させたものは、漢方生薬として、眼病治療薬や解熱剤などに処方されています。
食用菊の旬:秋 エネルギー量:100gあたり27kcal
菊(食用菊)の栄養成分と効能・効果
食用菊の栄養面としては、ビタミン、ミネラル、食物繊維ともに比較的多く含まれています。特に多いのはビタミンEです。ビタミンEには抗酸化作用があり、アンチエイジングに有効と言われています。その他、ビタミンKや葉酸、β-カロテンなども多く含まれています。
食用菊はコレステロール抑制、鎮痛作用、解熱作用、疲労回復、風邪、頭痛、発ガン(癌)抑制などに効果があると言われていますが、注目されているのは解毒作用です。食用菊にはグルタチオンの生成を促進する効能があるため、肝機能を高め、解毒作用を強化する効果があると言われています。
漢方では菊花のことを「明白(めいもく)」といい、昔から"目の薬"として、目のトラブルの処方に使っています。たとえば、目の充血、疲れ目、目のかゆみに用いられる「菊花散」も、かすみ目、視力減退に用いられる「杞菊地黄丸」も、主薬は菊花です。
菊(食用菊)の主な栄養素
ビタミンE 4.6mg
ビタミンK 11ug
ビタミンC 11mg
葉酸 73ug
カリウム 280mg
マンガン 0.4mg
食物繊維 3.4g
※菊(食用菊)100g含有中
※カロリー 100gあたり27kcal
菊(食用菊)の調理のポイント
菊は生食、菊のり、菊花茶、菊花酒、漢方料理などで食します。
生の食用菊はそのまま料理のあしらいに用いたり三杯酢やあえもの、おひたしなどにしたりします。刺し身に添えると、魚の毒消しの役目もします。
菊のりは、もどしてから、生と同様にあえものなどにします。
漢方薬局に行くと、菊の頭状花を乾燥したものが入手できます。乾燥した菊花は、薬膳としてお粥やスープに利用したり、菊花茶や菊花酒にして飲用したりできます。
菊(食用菊)の注意点
菊花には、からだを冷やす性質があります。下痢をしているとき、また冷え症の人は、量に注意して用いてください。
尚、食用、薬用に用いられる菊花は、色で効能が若干違うといわれます。中国では、目の症状には白い花、風邪、頭痛、のぼせなどには黄菊がよいとしています。可能であれば、症状で花の色を選び分けるとよいかもしれません。
菊(食用菊)に含まれる健康成分
菊(食用菊)に含まれる健康成分には以下のようなものがあります。