集中力を高める
集中力を高める【概要】
- 集中力とは興味の無いものに集中できる能力のこと
- 集中力を高めるには「健康な脳」「トレーニング」「環境」が重要
- 集中力を高める食品は大豆や豚肉、魚介類など
集中力とはある事柄に対し注意を持続させる能力のことです。集中力は人の興味によって大きく左右されます。大抵の人は興味あるものに対しては容易に集中力を発揮できます。
一方、興味の無いものに集中することは苦痛を伴います。しかしながら人生において興味の無いものに集中しなければいけない場面は多々あり、そのような時にこそ集中できる能力が本来の集中力と言えます。
集中力とは
集中力を科学的な観点で見ると、脳の神経伝達物質が大きく作用しているのが分かります。集中力が高まる時はアドレナリンやドーパミンなど<興奮性>の神経伝達物質が活発に放出されています。しかし、興奮性神経伝達物質の分泌が続くと脳が疲労し、ストレスも溜まり、健康に害を及ぼします。このような状態では集中力自体も持続できません。
そこで脳はギャバ(GABA)やタウリンなど<抑制性>の神経伝達物質も放出し、リラックスしながら集中するという状態を作ります。
しかし、抑制性の神経伝達物質が分泌されすぎてもやる気を失ってしまいます。集中力を維持している状態というのは興奮性神経伝達物質と抑制性神経伝達物質がバランスを保ちながら放出されている状態と言えます。
集中力を高める方法
集中力を高めるには主に3つの要素があります。それは「集中力を支える健康な脳」「集中力を高めるトレーニング」「集中できる環境づくり」です。
集中力を支える健康な脳
集中力を高めるためには脳が健康に機能することが第一です。脳が健康に機能するには以下の要素が必要です。
●脳のエネルギー分が十分である
●脳の神経伝達がスムーズである
●脳の血流をよくする
●脳をしっかり休ませる
「脳のエネルギーや神経伝達」の詳細に関してはこちらを参照ください。
集中力を高めるトレーニング
集中力を高めるトレーニングとは、言い換えれば興味の無いものを如何に興味を持たせるかというトレーニングになります。これは精神的な要素が強いですが、いくつかポイントがあります。集中力を高めるコツでもありますので以下のポイントを試してみて自分なりの方法を見つけましょう。
●脳機能を活性化する
●興味がないことでも興味があることに関連付ける
●興味がないことに必然性を持たせる
●小さな目標から始める
●とにかくまず始める
「集中力を高めるトレーニング」の詳細に関してはこちらを参照ください。
集中できる環境づくり
環境も集中力を高める上での重要な要素です。人によって嗜好性がありますが、主に以下のポイントがあります。
●リラックスできる環境をつくる
●興味のあるものを近くに置かない
●自分なりの決まりをつくる
●休憩をとる(作業する時間を決める)
「集中できる環境づくりの詳細」に関してはこちらを参照ください。
集中力を高める食事・成分
集中力を高める食事とは、「脳のエネルギーを供給する食事・成分」「神経伝達物質を正常に放出するための食事・成分」「神経伝達物質をスムーズに伝達するための食事・成分」の3つに分けられます。
脳のエネルギーを供給する食事・成分
脳のエネルギーとはブドウ糖のことです。ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源です。ブドウ糖はお米やパンなどの穀類、葡萄やバナナなどの果物、はちみつなどに多く含まれています。またブドウ糖のエネルギー変換を促進するビタミンB1も一緒に摂ると効果的です。ビタミンB1は豚肉や納豆、うなぎなどに多く含まれています。
神経伝達物質を正常に放出するための食事・成分
神経伝達物質を正常に放出するための食事・成分とは主にアミノ酸になります。卵や乳製品など必須アミノ酸がバランスよく含まれているものを食べることが効果的ですが、中でも興奮性神経伝達物質と抑制性神経伝達物質に関わる成分は特に重要です。
興奮性神経伝達物質とはアドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどですが、これらの原料となる代表的な物質はチロシンです。チロシンはチーズをはじめ、大豆、カゼインなどに多く含まれています。
抑制性神経伝達物質にはギャバ(GABA)やタウリンなどがあります。ギャバ(GABA)は発芽玄米やトマトに、タウリンはサザエやホタテ、タコ、イカなど魚介類に多く含まれています。
また記憶力や頭の回転を早くすると言われるPS(ホスファチジルセリン)も効果的です。PS(ホスファチジルセリン)は大豆や豚肉、卵に含まれています。
神経伝達物質をスムーズに伝達するための食事・成分
神経伝達物質をスムーズに伝達するための食事・成分とは主にオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸になります。オメガ3脂肪酸にはα-リノレン酸やDHA、EPAなどがあります。オメガ6脂肪酸にはリノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸などがあります。オメガ6脂肪酸は現代の食生活で不足することはまず無いと言われていますので気にする必要はないでしょう。
オメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸を多く含む食品には、くるみ(胡桃)やなたね油、大豆油などがあります。DHAやEPAはあん肝やマグロ(トロ)、サバ、いわしなどに多く含まれています。
これらのことを見ると大豆や豚肉、魚介類が集中力を高めるために効果的な食品と言えそうです。
病気による集中力の欠如
病気によって集中力が極端に低下することがあります。うつ病やパニック障害、統合失調症など精神的な病の場合、集中力は低下します。当然ですが、このような場合は集中力云々ではなく、まずは病気の治療やゆっくり休むことが先決です。
集中力を高めるに効果があると思われる食品成分
集中力を高めるに効果があると思われる健康成分には以下のようなものがあります。