大麦
大麦【概要】
- 大麦は日本人に不足しやすい栄養素が多く含まれている。
- 大麦はコレステロールや血糖値を下げ、糖尿病に効果的。
- 大麦は水溶性食物繊維が多く、便秘解消に効果的。
大麦とはイネ科の穀物で古くから栽培され、近年、栄養価の高い食物として見直されてきている食べ物のひとつです。
大麦自体は馴染みが薄い人も多いと思いますが、大麦を使った身近なものとして麦茶や麦飯そして、ビールの麦芽などがあります。
大麦の品種はいくつかありますが、代表的なのは六条種と二条種です。六条種はおもに食用、二条種はピールなどに利用されます。
六条種の大麦は、精麦にして米に混ぜ込むほか、味噌、醤油、麦茶、麦焼酎、麦こがし(はったい粉)、水あめ用麦芽などの原料にも利用されます。
ビール大麦、大粒大麦ともいわれる二条種の大麦は、麦芽として主にピールやウイスキーの製造に用いられますが、一部食用として六条種と同じように利用されています。
大麦の栄養成分と効能・効果
大麦には、日本人に不足しやすい栄養素が多く含まれています。健康のために麦飯を常食する人も、最近、少しずつ増えているようです。
かつて麦飯といえば、節米が大きな目的で、貧しさを連想させるものでしたが、白米に欠ける栄養素が補えることから、最近は健康食として見直され、"コンビニ弁当"などにも見られるようになっています。
大麦は酸性体質を改善し、血糖・尿糖を下げ、血液循環を促すアルカリ性食品でもあり、糖尿病や脳卒中の予防効果が大きいという研究報告があります。
精麦の中で、最も一般的で手に入りやすいのは、精白粒を加熱してやわらかくしてから圧扁した「押し麦」です。この栄養価を精白米と比較してみると、カルシウムは4倍、鉄は3倍、ビタミンB1は2倍弱、ビタミンB2は2倍強(七分つき押し麦)で、精白米より栄養的に優れていることがわかります。
大麦に含まれるビタミンB1は疲労回復や集中力向上、ビタミンB2は美肌や肌荒れ、粘膜の強化や薄毛などに効果的とされます。
なお、精麦のビタミンB1は、精白によってかなり失われています。ビタミンB1を期待するなら、強化精麦を利用するとよいでしょう。押し麦を例にとると、強化押し麦のビタミンB1含有量は精白米の10倍以上です。
さらに、大麦はよくかまないと、"うまみ"が出てきませんし、消化を助けるうえでも、麦飯を主食にするとかむ回数が多くなります。食べるのに時間がかかり、少ない量でも満腹感を得やすくなるというわけです。ダイエット食として常食するのもよいでしょう。
食物繊維が多いということも、大麦の特徴です。特に水溶性食物繊維(βグルカン)が多く、穀類の中ではトップレベルの含有量です。この為、大麦は便秘やコレステロール抑制に効果があると言われます。
大麦の主な栄養素
ビタミンB1 0.19ug
ナイアシン 2.28mg
ビタミンB6 0.2mg
銅 0.36mg
亜鉛 1.19mg
モリブデン 8.91ug
食物繊維 8.91g
※大麦100g含有中
※カロリー 100gあたり343kcal
大麦の調理のポイント
大麦が体にいいとわかっても、白米に慣れた人には、ボソボソした麦飯はなかなか馴染めないかもしれません。
健康のためにこれから麦飯をと考えている人は、大麦の割合を米の1割程度にした麦飯から始めるとよいでしょう。このくらいなら、抵抗なく食べられるはずです。
そして、少しずつ麦の量を増やしていきます。大麦が5割以上になれば、理想的です。
大麦の副作用・注意点
小麦と比べると少量ですが、大麦にはグルテンが含まれていますのでグルテンアレルギー及びセリアック病の方は摂取を控えてください。
また大麦の芽(大麦麦芽)に関してですが、妊娠中、授乳中の女性は過剰摂取や治療目的の摂取は危険性が示唆されているので気をつけましょう。
大麦に含まれる健康成分
大麦に含まれる健康成分には以下のようなものがあります。